こんにちは!広報部長です◎
デザインの世界って「センス」が語られがちですが、実際の現場では、良いデザインほど明確な考え方や根拠の上に成り立っています。そして、その土台となるのが「デザインコンセプト」です。
一口に「高級感のあるデザイン」や「若者向けのデザイン」と言っても、なんとなくでは作れません。きっちりコンセプトを設計してからデザインに入るのがプロの仕事。実は実際にデザインするという作業以前のプロセスが、それなりに長くかかるものなんです!
さて今回は、そんなデザインコンセプトを作るための考え方を体系的に整理してみようと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね◎
1. そもそもデザインコンセプトとは?

デザインコンセプトとは、一言でいうと「デザインの判断基準」です。
色をどうするか。
書体をどうするか。
写真を使うか、イラストを使うか。
こうした無数の選択肢の中から最適解を選ぶための軸になります。
例えば、「高級感のあるパッケージを作りたい」という要望があったとしても、この「高級感」という言葉だけでは判断基準にはなりません。判断基準を作るにはもうひとつ掘り下げて、「具体的に何を使って高級感を表現するのか」を考えなければならないんです。
「高級感」は、落ち着いた色で表現するという方法もあれば、余白を大胆に使うという方法もあります。いい感じの写真を使うのも良さそうですし、あえてシンプルな文字だけで構成するというのもひとつの方法ですね。
このために必要になるのが、「誰に」「何を」「どう感じてほしいか」を整理したデザインコンセプトです。
2. デザインコンセプトは「誰に・何を・どう感じてほしいか」で考える

コンセプトを考える際は、まず次の3つを整理することが大切。
誰に届けるのか(Target)
どんな価値を伝えるのか(Value)
どんな印象や感情を持ってほしいのか(Emotion)
例えば、「高級なだしパック」のパッケージデザインを例に考えてみましょう。
誰に届ける? → 和食は「手間がかかる」と思っている人
どんな価値? → 手軽なのに本格的な味
どんな感情を持ってほしい? → 毎日の料理が少し楽しくなる、和食をもっと取り入れたくなる
というように整理できますね。
ちなみに、そんな設計のもとにできたのが「香りのいちしる」。
現代の食事スタイルにマッチするモダンな表現に、和食の奥ゆかしさと活気ある文化の要素を融合させ、高級感がありながらもキッチンにあると気分が上がるようなデザインを実現しています。
デザインコンセプトは、ターゲットと価値、感情をつなぐ設計図なんです!
3. デザインコンセプトを作るための5つのステップ
ここからは、実際の制作現場でも活用できる考え方を5つのステップに分けてご紹介します!
ステップ1:情報を集める

最初に行うのは観察。この段階では、「良い」「悪い」という評価ではなく、まず事実を集めます。
例えば、
市場ではどんなデザインが主流なのか
競合商品はどのような見せ方をしているのか
ユーザーは何に不満を感じているのか
商品やサービスの強みは何か
といった情報をしっかりと整理します。
コンセプトづくりで失敗する原因の多くは、十分な観察をせずにアイデアだけで進めてしまうことです。商品そのものはもちろん、置かれる状況や市場をまずは「知る」ことから始めましょう。
ステップ2:伝える価値を絞る

次に、伝える価値を選びます。ここで重要なのは欲張りすぎないこと。
愛情をもって作った商品です。良さもたくさんあります。あれもこれも伝えたいし、やっぱりトレンドを意識してサステナブルやSNS映えなんかも盛り込みたくなりますよね。
しかし、すべてを伝えようとすると起こること。それは…「結局何も伝わらない」!!! これが一番怖いんです…!!
コンセプト設計では、じっくり十分に考えて「この商品が選ばれる理由は何か」を一つに絞ることが大切。最大の魅力を軸にしてくださいね。
ステップ3:コンセプトを言葉にする

さて、価値が定まりました。今度はそれを「一文で」表現してみましょう。
おすすめなのは、「誰に、どんな価値を、どんな体験として届けるか」という形。
これにあてはめてみて、例えば
「忙しい毎日を送る人に、手軽さの中にも丁寧な暮らしを感じられる体験を届ける」
なんてどうでしょう。こんなふうにシンプルな形の文章にすることで、チーム内で認識を共有しやすくなります。
また、デザイン制作中に迷ったときも、この文章に立ち返ることでもう一度頭を整理することができるんですよ。
ステップ4:デザイン要素に翻訳する

さあさあ企画が立ち上がってきました!いよいよデザインをつなげる工程です。
一つ前のステップでシンプルな一文にしましたが、言葉はそのままでは「パッケージデザイン」にはなりません。これを色や書体、写真、レイアウトといった要素に落とし込む、「デザインに翻訳する」必要があります。
「上質」のデザイン翻訳…彩度を抑えた色使い、余白を広く取る、細めの書体を使う
「親しみやすい」のデザイン翻訳…やわらかい色使い、丸みのある書体、人の表情が見える写真
「革新的」のデザイン翻訳…強いコントラスト、ダイナミックな構図、シンプルで大胆な表現
こんなふうに少しずつ言葉とビジュアルを結びつけていきます。この翻訳をもっともっと具体的にブラッシュアップさせていって表現として形にしていきます。
ステップ5:コンセプトを検証する

最後に、本当にコンセプトが機能しているかを確認します。
ポイントは3つ!
⚫︎ターゲットに伝わるか
想定した人がその商品を見たときに、「これは私向けの商品だ」と感じられるかどうか。
⚫︎競合と差別化できているか
棚やWebサイト上で並んだとき、違いが伝わるか。
⚫︎デザインの理由を説明できるか
色や書体、写真について、「なぜその表現を選んだのか」を説明できるか。
説明できない要素が多いということは、コンセプトが十分に整理されていないということ。ここをしっかり検証して初めて「Go」なんです!
4.【T3デザイン実績】コンセプトが自慢のパッケージデザイン
さて、巷にあふれるパッケージデザイン、実はこれまでご説明したような厳しい過程をくぐりぬけて採用されたものなんです!
T3デザインが手がけてきたパッケージデザインも、全てこれに該当します。どれもこれも自慢のデザインですが、特に見ていただきたいここ最近の自信作をここに厳選しますね◎
4-1. 空想果実イトピスの実 空想果実ラボスペシャルBOX(カンロ株式会社)
カンロ株式会社様のファンタジー体験型グミ「空想果実」シリーズの第3弾として、大きな話題を呼んだ「イトピスの実 」のEC限定スペシャルセットの開発です。
グミ5袋、世界観を補完する果実カード、ステッカー、リーフレットを同梱したプレミアムなセットを1200個限定で展開。さらに、全セットのうちわずか5箱にのみ「イトピスの実」の精巧なレプリカを封入するという、物語と現実が交錯するサプライズを仕掛けています。
4-2. kinoka(ユースキン製薬株式会社)
「kinoka」の最大の特長である「木の香り」を、あえて装飾を加えずストレートに表現することを核に据えました。
パッケージそのものが「一本の木」として店頭に存在しているかのような、意図的な違和感を生むデザインを採用。情報が溢れる売り場において、この視覚的なフックが消費者の目を釘付けにし、「本物の木の香り」という製品メッセージを瞬時に、かつ強力に伝えます。
この大胆なアプローチにより、既存の製品群とは一線を画す圧倒的な差別化と、一度見たら忘れられない記憶に残るインパクトを実現しました。また、キービジュアルや什器などの販促物は徹底してシンプルに徹することで、主役である製品の個性を最大限に際立たせ、ブランドの世界観をより純粋に引き出す設計に仕上げています。
4-3. Marosh マロッシュ(カンロ株式会社)
堂々とした佇まいで揺らがない個性を表現するため、マロッシュ型のパネルを大きく入れ込んだデザインを採用。背景のフレーバーシズルを下にむぎゅっと積むイメージで、食感につながる魅力的な弾力を想起させました。
また、ベースカラーの彩度を高めに設定し「前に一歩踏み出したくなるようなワクワク感」を表現。独特なかみごたえのある「没入食感」と、ワクワク感を醸成し“好き”を信じる気持ちを応援する」ブランドとしての提供価値をかけあわせた、前向きで明るいデザインになっています。
4-4. ADACHI MAKERS MARKET(しんきん地域創生ネットワーク株式会社)
「ADACHI」という5つのアルファベットを単なる文字列としてではなく、それぞれが多様な魅力を象徴する「個別のアイコン」として再構築しました。一文字ごとに異なるカラーやフォルムを大胆に与えることで、多面性を視覚的に表現しています。
ポスター全体には、これらの個性が響き合うダイナミックなグラフィックを配置。要素を絞ったシンプルで力強い構成でありながら、配色の妙によって「今、ここで何かが始まっている」というワクワクするようなポップな高揚感を演出しました。整然とした東京駅の風景の中に、あえて異質なエネルギーを放つビジュアルを投入することで、言葉の壁を超え、直感的に「面白さ」に触れてもらうための接点をつくりだしています。
4-5. FIRST(ラッキー工業株式会社)
新生児向けに特化し、生後12か月まで使用できる高機能抱っこひものパッケージデザイン。
子育て前から大切にしていた価値観で、機能もファッションも楽しむライフスタイルを想起させるデザインにしました。中央に日の丸を配することで、日本製であることをシンボリックに訴求しています。モデルイメージは、インバウンド層からも好感を得られるようなモードで都会的な日本人像を表現。側面と裏面の説明箇所ではイラストを採用し、程よく抜け感を出しています。
5. デザインコンセプトは「センス」ではなく「プロセス」
デザインコンセプトづくりは、観察し、価値を見つけ、言葉にし、それをビジュアルへ翻訳していくという根気のいる作業。そのプロセスを丁寧に積み重ねることで、誰でも再現性のあるコンセプト設計ができるようになるんです。
良いデザインは、ひらめきだけではなく、明確な判断基準から生まれるもの、なんですよ。
私たちT3デザインでも、パッケージデザインをはじめとするブランディングや商品開発の現場で、まずコンセプト設計から取り組みます。
どんなに美しいデザインでも、伝えるべき価値が整理されていなければ成果にはつながりません。だからこそ、見た目を整える前に「何を伝えるべきか」を考える。それが、長く愛されるデザインづくりの第一歩だと考えています。
「こんな商品がつくりたい」「こんな価値を表現したい」なんでも大丈夫。御社の価値ある商品、最初から一緒に作っていきましょう!ぜひお気軽にご相談くださいね◎







