こんにちは、広報部長です◎
商品を手に取ってもらうきっかけって、ほんの一瞬です。
店頭でも、ECでも、まず目に入るのは中身ではなく「パッケージ」。だからこそ今、オリジナルパッケージの役割があらためて注目されているんです。
どんなに良い商品でも、魅力が伝わらなければ選ばれません。反対に、パッケージで「自分に合いそう」「ちょっと気になる」と感じてもらえれば、商品との出会いはぐっと近づきます。パッケージは、単なる入れ物ではなく、ブランドや想いを伝える最初のコミュニケーションなんですよ◎
最近では、個人で商品づくりを始める方から、既存ブランドを見直したい企業まで、さまざまな立場の方がオリジナルパッケージ制作に取り組むようになりました。一方で、「何から考えればいいのかわからない」「デザインだけに目が向いてしまう」といった声も少なくありません。
今回は、オリジナルパッケージを制作するうえで大切にしたい考え方や、失敗しやすいポイント、実務で役立つ視点をご紹介！
これからパッケージ制作を考えている方にも、すでに商品を展開している方にも、ヒントとしてお役に立てたらうれしいです◎
1.オリジナルパッケージ制作で失敗しがちなポイントは？
1-1.デザインが先行してしまう
オリジナルパッケージ制作で最も多い失敗は、「まず見た目から考えてしまう」ことです。
参考デザインを集め、雰囲気を決め、形にしていく。一見スムーズなプロセスに見えますが、完成後に
「これ、誰向けなんだろう？」
「売り場でどう見えるんだろう？」
と立ち止まってしまうケースがすごく多いんです。
デザインは目的ではなく、手段です。「選ばれる理由」を整理しないまま進めると「きれいだけど弱い」パッケージになってしまいます。
1-2. ターゲットや販路が曖昧なまま進む
前項と地続きの話ですね。そのパッケージ「誰向け」ですか？
個人向けなのか、業務向けなのか。店頭なのか、ECなのか。この前提が曖昧なまま制作すると、情報の出し方が中途半端になってしまいます。
その結果、「店頭では伝えきれない」「ECでは魅力が薄い」「価格とのバランスが合わない」といったズレが生まれます。オリジナルパッケージほど、前提条件の整理が重要なんですね。
2.オリジナルパッケージ制作で押さえるべきポイントは？
2-1.「誰に・どこで・どう使われるか」を明確にする
まず考えたいのは、商品が使われる具体的なシーンです。「どんな人が、どんな悩みや目的で手に取るのか」。それが分かれば、伝えるべき情報は自然と絞られていきます。
「すべての人に向けたパッケージ」って、これだけ言うとなんか良さそうに聞こえますけど、結果的には「誰にも刺さらない」んです。だからこそターゲットを設定し「ひとりの理想的なユーザー」を想像することが成功への近道となります。
2-2. ブランドの軸を言葉にする
「らしさ」を感覚だけで共有するのは難しいものです。だからこそ、
大切にしたい価値
目指したい印象
競合との違い
を、簡単な言葉で整理しておくことが重要です。
この軸があると、色・フォント・写真・素材選びに一貫性が生まれ、デザインの判断もスムーズになります。
2-3. 情報は“減らす”ことで伝わる
パッケージに記載されている文字、実は意外と読まれていません。とっても残念なんですけど、事実です。だからこそ「全部伝えたい」という気持ちはぐっと抑えて、選ぶために必要な情報だけを前面に出すことが大切なんです。
詳しい説明は裏面やWebで補えば十分。あえて余白をつくることが、伝わりやすさにつながります◎
3. 売れるオリジナルパッケージの共通点
3-1. 選ぶ理由がひと目でわかる
売れているパッケージは、「何の商品か」「どんな良さがあるか」が直感的に伝わります。コピーやビジュアル、色づかいが同じ方向を向いているため、迷わせません。
これは「おしゃれだから」「キャッチーだから」という派手さではなく、設計の明確さによるもの、なんです。
3-2. 世界観に一貫性がある
ロゴ、色、文字、写真のトーンが揃っているパッケージは、自然と信頼感を生みます。この一貫性が、ブランドとしての記憶につながり、リピートにも影響します。
オリジナルパッケージは、単品ではなくブランドの入口として考えることが大切なんです。
3-3. 使うシーンが想像できる
「どこで」「どんなふうに」使われるのかが想像できるパッケージは、購入後の満足度も高くなります。
生活の中に置いたときの姿まで想像できると、「これにしよう」という気持ちが後押しされますよね。
4. 唯一無二がここにある！T3デザインが考案した「オリジナル」なパッケージ10選
4-1. Puré for you（カンロ株式会社）
オンラインショップKanro POCKeT 限定で販売される「Puré for you」のパッケージデザインを担当しました。
Puréシリーズが大切にしている“トキメキ”のコンセプトを、ギフトシーンにふさわしい“誰かに贈るトキメキ”として再解釈。想いを届ける花束をモチーフにデザインを提案しました。花の部分を開くと、色とりどりのグミが顔をのぞかせる仕掛けに。誰かに手渡したくなるような、贈る気持ちに寄り添うパッケージを目指しました。
4-2. Kikkoman Barista Soymilk（キッコーマン株式会社）
北欧の「HYGGE（ヒュッゲ）」が持つ温かな空気感をベースに、日々の暮らしを自分らしく楽しむ人へ向けた、心地よい世界観をデザインしました。
自然のやすらぎを感じさせる柔らかな配色と曲線的な風景画で親しみやすさを描き出しながら、パッケージを横に並べるとイラストがひとつに繋がる遊び心のある仕掛けを導入。ランニングやカフェタイムなど、それぞれの「自分らしい楽しみ方」が連鎖していくストーリー性を加えることで、商品の世界がどこまでも拡張していくようなワクワク感を表現しました。この大胆なカラーブロックと情緒豊かなビジュアルの融合により、独自の世界観を確立しています。
4-3. 香りのいちしる（株式会社シンクロ）
デザインの核となっているのは、江戸時代の歌舞伎文化です。一見すると美しい和柄のようですが、実は3つの味（「香り」「あご」「野菜」）を、歌舞伎を構成する「女形」「男形」「敵役」に見立てており、鰹節を持った女性（香り）、隈取を施した荒事（あご）、野菜を持った鬼（野菜）といった、遊び心あふれるモチーフが隠されているのが分かります。
使用している和柄は歌舞伎の衣装から取り入れ、色は日本の伝統色で構成することで、本格的な和の雰囲気と上品さを表現しました。
さらに、タイトル周りにはゆったりとした余白をたっぷりと設けてメリハリを出すことで、モダンで洗練された印象に仕上げています。また、輝きを抑えた上品な金色を一部に取り入れることで、派手になり過ぎない高級感を演出しています。
4-4. おめでとセレクション（株式会社大和）
ママ・パパと赤ちゃんをつなぐコミュニケーション、そして選ぶ楽しさやわくわくが創出できるようなデザインにこだわりました。
カタログ本は、オノマトペで表現した図形と色をジャンルごとに展開。コース名に至るまで世界観を統一しています。また商品撮影においても、カテゴリーカラーのプロップを取り入れながら、段ボールでオリジナル制作した図形や家具・動物を赤ちゃんの周囲に配置することで、モダンなイメージとワクワクするような楽しさを両立させています。
付属の積み木は、オノマトペの図形を介した親子のコミュニケーションや、付属マットでの遊び、形合わせなどを通じて知育玩具としても機能するように設計。さらにギフトカードセットでは、箱の底のイラストに合わせてオノマトペの図形ステッカーを貼って遊べるようにするなど、全体を通して商品を選ぶ楽しさと親子の遊びを深める仕掛けを重視したデザインとなっています。
4-5. 乳エード（タカナシ乳業株式会社）
懐かしい気持ちとその優しい味わいをダイレクトに伝えるということを大きなテーマとしてデザイン。商品名やキャッチコピー、そして中の飲み物のみずみずしいシズルに至るまで、あえてすべてを手描きで制作しています。この温かい手描きのタッチが、ブランドの目指すレトロで親しみやすい世界観を、ふんわりと表現しています。
また、商品の味わいにリンクした愛らしいキャラクターを添えることで、親近感をプラス。全体を通じて、レトロな世界観と確かな美味しさを感じさせる表現を両立させ、リアルながらも柔らかさと心地よい透明感が伝わるように丁寧に描き上げています。懐かしさと、今楽しむべき美味しさの両方を体感できる魅力的なデザインとなりました。
4-6. 舜华茶油鱼（湖南临武舜华鸭业发展有限责任公司）
「舜華茶油魚」は多くのフレーバーがあり、長く定番として愛されてきました。しかし、古いフォーマットが故に新鮮味がなく、またパッケージのアルミ地が店頭で激しく反射してしまい、文字や内容が非常に見にくいという致命的な課題を抱えていました。
この「見にくい」という問題を根本から解決するためにデザインを一新。思い切って白版をパッケージの全面に使用することで、反射を完全に抑え、一つ一つの商品情報をクリアに見やすくすることに成功しました。
また、シルバー地活かしでは売り場で印象が沈んでしまうため、白引きを施したアルミ地に鮮やかな色を重ねて印刷。若者たちが一目で内容を視認でき、さらに「選ぶ楽しさ」を感じられる、売り場で圧倒的に目立つパッケージへと生まれ変わりました。
4-7. オーシャントリコ ヘアワックス（株式会社フィッツコーポレーション）
リニューアルしたオーシャントリコヘアワックスのレフィル用パッケージです。イニシャルと色面のみでブランドのスタイリッシュで洗練されたアイデンティティを表現しています。それぞれイニシャルと配色で種類ごとの識別がしやすいよう留意しました。
4-8. FIRST（ラッキー工業株式会社）
新生児向けに特化し、生後12か月まで使用できる高機能抱っこひものパッケージデザイン。
子育て前から大切にしていた価値観で、機能もファッションも楽しむライフスタイルを想起させるデザインにしました。中央に日の丸を配することで、日本製であることをシンボリックに訴求しています。モデルイメージは、インバウンド層からも好感を得られるようなモードで都会的な日本人像を表現。側面と裏面の説明箇所ではイラストを採用し、程よく抜け感を出しています。
4-9. Sof’（赤城乳業株式会社）
溶けたようなツヤと滑らかなフォルムが、よりリアルな柔らかさを強調し「美味しそう」なソフトクリームシズルを実現しました。
スプーンですくっているシーンでは、まさにソフトクリームを食べる時の柔らかさを想起。背景のミルクの波でフレッシュなミルク感を表現しており、またカップの帯を不透明にすることで売り場での視認性を上げています。
4-10. 大阪ミックスジュースミルフィーユ
あたたかみのあるイエローをベースカラーとし、ミックスジュースの果物がミルクと混ざり合う瞬間を、ポップなイラストで表現しました。余計な色を加えず、シンプルな配色にすることで、ジュースの自然な色味やフルーティーな美味しさを引き立たせています。
大阪のにぎやかなお土産売り場でもひときわ目を引く、華やかでワクワク感のあるデザインです。
5. デザインで「人の行動を考える」
オリジナルパッケージ制作は「デザイン」の仕事ではありますが、もっと掘り下げると「人の行動を考える」仕事になります。
だからこそ、前提を整理し、伝える軸を決め、体験まで設計する。これを積み重ねることこそが、選ばれるパッケージをつくるんです◎
T3デザインは、パッケージデザイン会社として、日夜オリジナルパッケージ制作に取り組んでおります。ブランディングはもちろん、市場調査や流行のリサーチに基づいたターゲット設定、売れるための導線作りまでがお仕事の範疇となります。
「なんかいいもの作りたい」「話を聞いてほしい」それだけで十分です！一緒に御社の商品を輝かせましょう◎ ご相談、お待ちしております！
