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時代を虜にする「シンプルデザイン」とは?特徴と参考ブランドまとめ

2024.02.16
知識 / ノウハウ

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時代を虜にする「シンプルデザイン」とは?特徴と参考ブランドまとめ

2024/2/16公開
2024/7/30更新

こんにちは◎ みなさんいかがお過ごしですか?

さて、今注目したいトレンドワードと言えば…「シンプル」

昔からある普通の言葉だと思うでしょう? そうなんです。そうなんですけど、今こそこの「シンプル」、ファッションでもプロダクトデザインでもwebデザインでも注目を浴びるトレンドワードなんです!!

なぜ今シンプルなのか? シンプルの良さって何なのか?
ちょっと考えてみました◎

1.シンプルデザインとは?

シンプルデザインとは、必要最低限の要素のみを使って構成されたデザインのこと。余計な装飾や複雑な要素は省き、「シュッとした」「スカッとした」感じの見た目を指します。

視覚的に整合性が取れていて、スッキリとした外観が特徴で、「無骨」ではなく「洗練」されています。ここまでで、もうみなさん、あのブランドやこのブランドが思い浮かんでいますね?

そうです。シンプルデザインが成功しているプロダクトは、余分な情報や混乱が避けられ、そのシンプルさを持ってアイデンティティを強調することができているものなんです。

これがSDGsやコスパ主義、タイパ主義といった今の時代の風潮にとってもフィットしていて、非常に注目されています。

2.「シンプル」と「ミニマル」の違い

シンプルとミニマル

「シンプル」は分かった、でも「ミニマル」は? どう違うの? って思いますよね。

simple = 簡素・単純
minimal= 最小(限度)


辞書的にはこう訳されます。

でも簡素と最小の線引きって、難しいですね。かなり近しいものですし、どちらにもカテゴライズされているプロダクトもたくさんありますが、大ざっぱに言うと、シンプルは見た目に表れ、ミニマルは機能に表れやすいものです。

例えば、「シンプル」を代表するのは「無印良品」。確かに見た目がどこから見ても「無印良品だ!」と分かるほど簡素で単純。これぞシンプル。どんなところにもなじんでくれる見た目です。

一方、ミニマルを代表するのは、Apple社のiPhoneやiPad新しい機種はボタンが排除され、操作が指1本だけで行えるよう、最小限度のデザインになっています。

でも無印良品にも、詰め替えのステップが少ないプロダクトや、持ち手と本体の配置がすっきりと整理されているプロダクトといった、「ミニマル」な部分もあります。

Apple社の製品も、直線と流線のみで構成されており、装飾はかなり排除されて「シンプル」です。

両者は切っても切れない、お互いに影響しあう関係であると言えますね。

3.シンプルデザイン、何がいいの?

さて、冒頭でも「時代に合ってる」というようなことを言いましたが、このシンプルデザインは具体的にどこがいいのでしょうか?

3-1.プロダクトの魅力がダイレクトに伝わる

華やかな装飾はそれだけでデザインを強調する特徴になりますが、それをあえて省くことが、逆に鮮明にプロダクトを印象付けることにもなります。

製品の良さ、使い心地など機能面での自信を押し出す効果もあります。

3-2.強い印象を残すことができる

ロゴやフォント、色彩をシンプルにまとめることは、それ自体が強烈なイメージにもなります。

流行を超えたシンプルさを印象付けることに成功できれば、その鮮烈なイメージでブランドそのものを長い間象徴することもできます

3-3.環境にやさしい

シンプルデザインが「時代に合ってる」と言われるゆえんは、ここにもあります。余計な装飾がないということは、単純に素材を省ける、環境保護に貢献できるということです。当然製造コストも削減できますね。

3-4.時代に左右されない

シンプルデザインは、どこに置いても、誰が持っていてもなじみます。だから時代や流行に左右されにくいという特徴もあるんです。そのスタイルさえ確立できれば、需要も長く続きますし、より幅広い市場で展開することも可能です。

しかし、シンプル過ぎるとそれはただ「特徴がない」だけでスタイルには発展しません。適度なシンプルさ、これが難しいのです…。

4.これぞ「シンプルデザイン」なブランド5選

4-1.揺るがないブランドコンセプトが伝わる「±0」

±0
深澤直人率いる「±0」 は、ロングライフなデザイン家電の代名詞。

2003年に誕生した日本発の家電・雑貨ブランド。「ちょうどいい」を表わす記号「±0」 をブランドネームに掲げ、その時々のトレンドやライフスタイルに緩やかに沿いながら、「流行に流されすぎず長く使っていける」ものを作り続けています。

最近ではさまざまなブランドから、シンプルでかっこいい家電が発売されていますが、この「±0」が元祖、と言っていいのではないでしょうか。

±0
扇風機さえかっこよくなってしまう、それが「ちょうどいい」シンプルデザイン。

4-2.機能感と環境重視、合理的な「Aesop」

Aesop
おしゃれな家には必ず「Aesop」 の何かしらが置いてある気がします。

「Aesop」 はメルボルン発のスキンケアブランド。ホームケア製品も充実していて、ハンドクリームやハンドソープからルームフレグランス等も人気です。

全ての製品がビーガン(動物由来成分不使用)で、使用されている全ての成分においても、動物実験は行っていないと明言しています。リーピングバニー認証やB corp認証など数々の国際認証も取得していて、かなりサステナビリティへのこだわりも強いブランドです。

パッケージデザインにおいてもその哲学が強く出ています。機能と環境を重んじ、合理的かつ持続可能。どのプロダクトも、パッケージはシンプルで控え目にできていますが、ロゴはしっかりと引き立つように配置されていて、家の中のどこに置いてもしっとりなじみます。どことなく上品な高級感があるのもまた魅力。

そのシンプルさを持って、企業の姿勢自体を表しているというところも優れているなあと感じます。

Aesop
使って形が変わることもデザインの内と考えているそう。確かにくしゃっとなってもなんかかっこいい。

4-3.単純に考え抜かれた「無印良品」

無印良品
みんな大好き「無印良品」 。使える、シンプル、安価と三拍子揃ってますもんね!

シンプルと言えば「無印良品」

無印良品は衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質の良い商品として、1980年に日本で生まれました。無印良品とは「しるしの無い良い品」という意味です。

無印良品の基本は、以下の「3つの原則」。

1. 素材の選択
2. 工程の点検
3. 包装の簡略化


極めて合理的な生産工程から生まれた、とても簡潔な商品たち。単純で空白のあるデザインだからこそ、あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性が生まれるのだと考えられています。

単純、簡素こそが「考え抜かれたデザイン」なんですね。

無印良品
使いやすく、分かりやすく、全てに配慮された形が秀逸な洗剤たちです。

4-4.知性と感性を感じる「THREE」

THREE
シンプルスタイリッシュな「THREE」 のメイクアイテム。

「知性」「感性」「バランス」をエッセンシャルとしたメイクアップブランド「THREE」 。どのプロダクトも、直線的で要素が少なく、非常にスタイリッシュなデザインです。

「製品のディテールは目に入った時に知覚していなかったとしても無意識に頭には残るもの」というのがデザインポリシー。スキンケアからメイクアップまで、並べた時の統一感がまた美しいのです。

環境への配慮も考慮されたデザインで、「デザインの理想が、サステナブルな選択に繋がるよう」という思いが込められています。

シンプルは豊かでもあるんだなということが分かるデザインですね。

THREE
パッケージがシンプルだからこそ、微妙な色味が引き立つ気がします。

4-5.緻密な構造と機能感が魅力の「MOEBE」

THREE
フレームが特に有名。憧れのシンプルプロダクト「MOEBE」

2人の建築家と1人の家具職人が2014年に立ち上げたデンマークのブランド「MOEBE」

まだ創業からわずかですが、おしゃれな家具屋さんなどにこぞって置いてある印象です。どちらかというとミニマル寄りですが、その緻密な構造と機能性には驚かされるプロダクトばかりです。

建築家と家具職人という組み合わせなので、建築的な思考に基づいたデザインになっているそう。設計は全て自社で行い、徹底的に考え抜いた構造によるシンプルで美しいデザインを目指しています。

「良いデザインとは、それ自体がサステナブル(持続可能なもの)である」という信条のもと、簡単にリペア、組立、リサイクルできるパーツで構成されているという点も、シンプルの良さを最大限に引き出すデザインを行っていると言えます。

MOEBE
細くシャープなフレームを細いゴムで留めるだけというピクチャーフレーム。シンプル過ぎるほどシンプルなのに主役級。

4-6.従来の非常食の概念を覆す「ER PLUS」

ER PLUS
シンプルスタイリッシュな非常食「ER PLUS」

萬有栄養株式会社が展開する非常食ブランド「ER PLUS」 は、従来の非常食の概念を覆す、シンプルでスタイリッシュなデザインとなっています。

非常食は、せっかく備えておいても邪魔になってしまい、奥にしまわれてしまいがちなもの。「物置にしまっていざという時に利用できない」という懸念を普段から身近に置いておいても気にならないような高いデザイン性を持たせることで解消しました。ここで使用されたグラフィックは、「2024タイポグラフィ年鑑」 に入賞しています。

商品自体の作りにも工夫が凝らされています。箱は、広げると一枚の紙に展開できる仕様で、その無駄のない美しさは、開封する瞬間にも気持ちをわくわくさせてくれます。ギフトとしての需要も見込んで、すっきりと直線におさまるギフトセットも用意されています。

シンプルはそのまま「使い勝手」に直結します。非常時に必要なものだからこそ、無駄をできるだけ削ぎ取る。人々の助けとなる仕様なら、それは「シンプル」の真骨頂ではないでしょうか。

MOEBE
直線的なデザインにすっきりと収まるギフトボックス。

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萬有栄養株式会社様 ER PLUS
萬有栄養株式会社様 ER PLUS

5.「シンプル」はただのトレンドではない

どのブランドも「シンプル」が「サステナブル」や「エコ」「ロングライフ」につながっていました。シンプルは今の時代の流れに合っていて、求められているものなんですね。

シンプルは難しい。でも成功すれば時代が移り変わっても傍にある、ずっと愛されるデザインになり得るんですね。

T3デザインでは、ずっと愛されるデザインを作るため、お客様とともにブランドのコンセプトから構築するお手伝いをしています。

ぜひお気軽にご相談くださいね!