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進化するメンズコスメ市場のパッケージデザイン考察とブランド紹介15選

2023.12.11
知識 / ノウハウ
進化するメンズコスメ市場のパッケージデザイン考察とブランド紹介15選

2023/12/11 公開
2024/7/25 更新

男性の美容観が変わりつつある今、メンズコスメ市場に新たな波が訪れています。今回はメンズコスメのパッケージデザインについて調査していきます!コスメ初心者にとってパッケージデザインは重要なもの。メンズコスメのパッケージデザインの傾向をつかんじゃいましょう!

1.もはや身だしなみとしてメイクは当たり前⁉

1-1.男性の美容意識の変化とSNSや有名人の影響で急成長するメンズコスメ市場

近年、メンズコスメ市場は顕著な成長を遂げています。この動きの背景にあるのが、男性の美容に対する意識の変化。従来のジェンダーベースの美容観念が薄れつつある中で、多くの男性がスキンケアやメイクアップ製品に興味を示しています。また、SNSや有名人の影響も大きく、男性用美容製品の需要が拡大しています。

1-2.ターゲットは20代~40代

メンズコスメ市場の主要ターゲットは、20代から40代の男性です。これらの男性は、品質成分に対する意識が高く、自分に合った製品を求めています。彼らはオンラインでの情報収集を積極的に行い、製品選びにおいてレビューや口コミを重視します。

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2.多種多様なメンズコスメのパッケージデザイン

では早速、メンズコスメのパッケージデザインを紹介していきます!

2-1. イラストで見せる【gatsby THE DESIGNER】

gatsby THE DESIGNER」は、第一線で活躍するプロと開発したメンズコスメブランドでスタイリング、ヘアカラー、スキンケア、メイクアップ、ネイルを扱っています。gatsby THE DESIGNERのパッケージデザインには、製品の性格を反映したイラストが入っており、シリーズ間での統一感を生み出しながらも、各製品の個性を際立たせています。容器本体はブラックとグレーでスタイリッシュな印象に。店頭では目立たせ、日常では生活になじむパッケージデザインとなっています。gatsby THE DESIGNER

gatsby THE DESIGNER

2-2. ロゴで統一されたシンプルなデザイン【LIPPS BOY】

「LIPPS BOY」は年間約45万人が来店するZ世代に人気のヘアサロン「LIPPS hair(リップスヘアー)」から生まれたメンズコスメブランドです。ブランドのコンセプトは「肌を、顔を、スタイリングしよう。」で、スキンケアからコスメ用品まであり、バラエティーショップやLIPPS hair、オンラインで販売しています。

2019年にブランド開始以来、パッケージデザインは統一された「LIPPS BOY」のロゴが配置されています。サロンで購入する際は、美容師の方の説明のもと購入するため、パッケージに訴求を入れなくても大丈夫。また、店頭で購入する場合も、シンプルなパッケージであるため、メンズコスメを買うハードルが下がる印象です◎

2-3. 訴求が多く初心者さんに優しい【uno】

「uno」は「第一印象は、速攻つくれる」がコンセプトの、誰でも簡単にメイクで大人の余裕顔になれるメイクシリーズです。

本体の中心にunoのロゴが配置されており、ブランド全体の統一されたカラーリング(黒、白、青、赤)でまとめられています。ドラッグストアやバラエティショップで発売されるため、外箱には製品の訴求をわかりやすく記載。メイクアップ初心者の男性でも使用用途や自分に合った商品が選びやすいパッケージになっています。

2-4. 誰もが簡単に使えるシンプルなコスメ【LEVA】

「LEVA」は「誰もが簡単に使えるシンプルなコスメ」をコンセプトに「メイク=身だしなみ」という新たな考えを浸透させるブランドです。

パッケージデザインは、「すべての人の、すべての日常の、そばにいたい」という想いから余計な装飾やカラーリングが一切なく、白の容器に黒でロゴと商品名が記載されています。コスメ自体は洗練されたシンプルなデザインですが、箱の内面はカラフル。開けた時のわくわく感と、商品自体のシンプルでずっと使いたくなるようなデザインが融合されています。

2-5. カラフルな色彩で遊び心が感じられる【BOTCHAN】

BOTCHAN」は〈「男らしく」を、抜け出そう。〉がコンセプトの2018年にローンチしたメンズ向けブランドです。
BOTCHANのパッケージデザインは遊び心が感じられます。「スキンケアをもっと軽やかに楽しめるように」という思いから、カラフルな色彩と躍動感のあるドローイングを用いて、自由で繊細でクリエイティブな現代のメンズを表現。ライフスタイルにおける新しい「粋」を追求し、ユニークな存在として使う人の生活をクリエイティブにするプロダクトを目指す様子がデザインに現れています。

2-6. 3COINS初のメンズコスメライン【GENAU】

「GENAU」は雑貨ショップ3COINSから発売されている男性向けのメンズコスメラインです。1商品330円~と試しやすい価格で、背伸びはせずに気軽にケアを始められる様にという願いが込められています。

パッケージは黒の容器に白字でロゴや商品名が入っているシンプルなデザイン。女性向けの化粧品も扱い、商品数の多い3COINSで、ひと目で男性向けの化粧品だということが分かるスタイリッシュなデザインです。

2-7. 日常のさまざまなシーンに自然に溶け込む【KAKTAS】

「KAKTAS」はMakuake開始わずか12分で目標金額を達成した、持ち歩き用のメンズコスメブランドです。「すべての肌にスタイリングを。」をコンセプトに、日常に訪れる“自信のある肌で過ごしたい瞬間”に寄り添います。

商品はスティック状のパウダーとBBスティックが展開されており、スティックの中央にロゴと商品名が印刷されているデザインです。日常のさまざまなシーンに自然に溶け込むように設計されており、使いやすさと機能性を重視しながらも、パウダーはグレー、BBスティックは黒と色でも商品の違いを分かりやすく提示しています。スタイリッシュな印象を与えるデザインです。

2-8. シンプルなデザインながらブランドロゴで信頼性を【Mr. produced by ORBIS】

「Mr.」は化粧品にまつわる様々な“ハードル”を取り払い、すべての人にとってスキンケアや美容が日常のものとなる生活を提案する、ORBISのメンズブランドです。メイクアイテムのコンセプトは「SILENT MAKE」。過剰な自己主張や男らしさへの強迫観念を脱ぎ捨てて「いつもよりちょっとかっこいい自分」「いつもよりちょっとおしゃれな自分」を叶えます。

パッケージは明るいグレーの容器にMr.とORBISのロゴ、商品名が書かれているシンプルなデザインです。シンプルなデザインはメイク初心者の男性が手に取りやすく、また、ORBISのロゴが目に入ることで、商品の信頼性も感じることができます。

2-9. 余計な装飾を除き、製品の品質と機能性を前面に【FIVEISM×THREE】

FIVEISM×THREE」は2018年にローンチした業界初となるメイク中心のメンズ総合コスメブランドです。
FIVEISM×THREEのパッケージデザインはシンプルで洗練されたデザインが特徴。ブランドのターゲットである20代後半からの美意識が高く、美しくなりたい男性の好みに合わせて余計な装飾を省き、製品の品質と機能性を前面に出しています。ブランドが大切にしている「無限の可能性」「シンプルなものの強さ」「純粋な想い」「たしかなヴィジョン」「自己表現」がシンプルなパッケージデザインとして表れています。

2-10. ブランドロゴとアイコンでシンプルにまとめる【SHISEIDO MEN】

「SHISEIDO MEN」は資生堂が100年の男性肌研究から誕生した高品質・高機能な男性向けスキンケア・メイクアップブランドです。メイクアップアイテムは男性の肌悩みを自然にカバーし、健やかな肌印象へ導きます。

パッケージデザインは黒の容器に白字で、SHISEIDO MENのロゴがまっすぐに目に入るよう設計されています。2003年の発売当初は欧州で販売されており、その後、日本に上陸しました。資生堂ブランドが最大のアピールポイントであり、信頼の証としています。また、メイクアップアイテムには、BBクリームは肌、リップクリームには唇といったアイコンがついており、ひと目で使用用途が分かるようになっています。

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2-11. 躍動感あるストリートミックスデザイン【SIDEKICK】

「SIDEKICK(サイドキック)」 は、若年男性特有の肌悩みに着目したプレミアムスキンケアブランドです。

ブランド名の「SIDEKICK」は「相棒」という意味。ロゴはブランドそのものを表す部分とその影を表す部分の2種類の書体で構成され、自分と切っても切り離せない影=相棒を表現しています。

またパッケージは、アルミチューブ、ガラスボトル、FSCエコ認証紙、環境に配慮した素材を採用。使いやすいワンタッチキャップを組み合わせ、異なる色を大胆に使いロゴデザインを施した躍動感のあるストリートミックスデザインになっています。

はっきりとしたカラーリングも全体の躍動感にぴったりと寄り添った演出。見た目の良さだけでなく、効果や用途をはっきり見分けられるというのも理にかなっています。

2-12. 初心者向けを前面に打ち出す【IT’s EASY】

「IT’s EASY(イッツイージー)」 は、「メイクスキルに関係なく、気軽に使える」をコンセプトに展開するメンズメイクシリーズです。まだまだ誰もが当たり前に、とはいかないメンズメイクの世界。そのハードルを下げることをコンセプトに据え、「悩まない」「使いやすい」「気軽」という3つのキーワードをブランドサイトに掲げています。

まずブランドネームがはっきりと「簡単」を謳い、初心者をターゲットとしていることを全面に押し出しているのがポイント。大文字を使ったロゴも分かりやすく対象への訴求力に優れています。シンプル過ぎると逆に洗練されてしまい、高級感が出てしまうのがコスメデザインですが、シンプルの匙加減がほどよくカジュアル。また明るい色調も「手に取って大丈夫」な雰囲気を絶妙に醸し出しています。

2-13. 男性の生活に馴染むデザイン【WAR PAINT.】

男性の整え肌をサポートする、男性に寄り添ったメイクアップブランド「WAR PAINT.(ウォーペイント)」 。メイクは女性がするものという概念に囚われず、男性が自由に、大胆に自己表現をするための、新たな選択肢として、「自信を与える、男のためのメイク」をお手伝いするというコンセプトです。

ブラックを基調とした男性的といっていいデザイン。まずは男性が違和感なく手に取れる、男性の生活に馴染むことを目指していることがわかります。多くのメイクをしたい男性にとって、自分たちのために開発されたと思えるものの存在は、まだまだ貴重。その心情に寄り添い、自己表現の道へと誘うきっかけとなるデザインなのではないでしょうか。

2-14. 美への思いが詰まった美しいデザイン【UNLICS】

「誰もが、好奇心の赴くままに、美を求め、美を語り合える社会を目指す」を哲学として化粧品大手の花王が立ち上げた男性向け化粧品ブランド「UNLIKS(アンリクス)」 。スキンケアとメイクアップ両面のラインナップです。

美を追求するインフルエンサー・車谷セナさん、USUKEさん、翔貴さんをブランドパートナーとして迎え、PR活動だけでなく、商品のアイデアやテスト、フィードバックなど開発プロセスから協働しています。

ホワイトで統一されたパッケージは、何にも媚びず、自分の欲望に向かっていく純粋な好奇心を象徴。差し色の赤は内に秘めた美への欲求そのものを表しています。また、チューブのキャップやボトルそのものの形状が実は三角形になっており、これは「欲望の向かう先=ベクトル」を表しているそう。思いの詰まった美しいデザインです。

2-15. 男性のニューノーマルな身だしなみアイテム【BULK HOMME】

男性向けのスキンケアブランド「BULK HOMME」 から、「スキンケアブランド独自の視点で、メンズメイクに革命を」をコンセプトに展開されるコスメラインです。

男性のニューノーマルな身だしなみアイテムとしてメイクをライフスタイルの一部にするために、メイクアップをスキンケア視点で再設計しています。とにかく自然で、必要十分であり、負担がかからないもの、という視点で作られているのは、スキンケアラインと共通しています。

パッケージに関しても同じ思想で、色数も最低限に抑えられたシンプル仕様。斬新さはあえて追い求めず、安全性と安定性を実現した上で、バルク(中身)で勝負するという意志を体現したミニマルさです。

3.消費者のライフスタイルや自己表現が反映されるメンズコスメから目が離せない!

いかがでしたか?
今回取り上げた例からも明らかなように、メンズコスメ市場は、単に製品の機能性を提供するだけでなく、消費者のライフスタイルや自己表現を反映するデザインによって、市場の新たな動向をリードしています。今後ますます多様化するメンズビューティー市場の成長に目が離せません!

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