世間において、またパッケージ業界にとっても大事な「サステナブル」という概念。この「サステナブル」をパッケージデザインにどう生かすのか、日々考えるT3デザインです。こんにちは!!
今回は、サステナブルの敵、「オーバーパッケージング」を防ぐアイディアについて考えます。
1. 市場で注目の【オーバーパッケージング】問題
さて、サステナブルでエコな社会を目指すことが人類の使命でありトレンドでもある昨今です。
SDGs目標のなかのひとつ「12. つくる責任つかう責任」を意識して、当然パッケージもエコがトレンドですね。できるだけ簡素なのが好まれる時代です。
そんなさなか、エコパッケージからもう一歩進んで、「パッケージレス」なんていうものも流行っています。簡素どころかもはや包まないよ、という潔い姿勢、究極のエコですね。
でもこのパッケージレス、とっても勇気が必要です。
誰もが知っているような大手企業の超有名商品なら、パッケージがなくてもすぐに認知されますが、実はそんな商品は世間にほんの一握り。そのほんの一握り以外のほとんどの商品には、認知のため、情報の記載のため、保護のため、どうしても最低限のパッケージングが必要なんです。
サステナブルな社会に貢献したい。でも商品認知を失わない程度にパッケージの資材を減らして企業として姿勢を見せたい。そんな絶妙なバランスを考えてパッケージを作ることが今後求められることになるでしょう。
そんなわけで、「パッケージをコンパクトにする」アイディアを集めてみました!
2. 脱・オーバーパッケージへのアイディア
2-1.「減らす」パッケージ
取り組みとして今最も目立つのはパッケージに使われる資材を減らしてしまうこと。紙素材への回帰も名だたる企業で行われていますね。
Panasonic社の乾電池「エボルタNEO」「エボルタ」 は、2023年4月から、紙パッケージを採用することで環境負荷の低減と使いやすさを両立したエシカルパッケージに生まれ変わりました。
アサヒ「スーパードライ」 も6缶パックをエコ仕様に。従来は缶全体を紙のパッケージで覆っていましたが、これを缶の上部だけを固定する形に変更されています。おなじみのラベルがしっかりと外から見えるので、商品認知的にもOKですね。
2-2.「また使う」パッケージ
パッケージ自体を再利用できるようなギミックを仕掛けるのも有効かつ楽しい手法です。
ステーショナリーブランドのペノンは、環境に配慮した「エシカル文具」として、サステナブルなボールペン「PENON(ペノン) 」を販売。パッケージを組み立てペン立てにできるという可愛らしい発想です。
メンズスキンケアブランド「KHAKI」 では、ギフトボックスをよりサステナブルに使えるように刷新。シールの剥がし跡が残らないよう、ゴムで留める仕様に変更しました。見た目がきれいなままの状態が保たれるので、受け取った人の「二次利用しよう」という気持ちを促進させる狙いがあります。
2-3.「飾る」パッケージ
以前にもエシカルなコスメとして取り上げた 「Diane be True」 。ジャンプーとリンスのセットが、POP兼セットケースに入っています。
シンプルな段ボール素材で省資源な上に、ケース自体が店頭POPの役割を担っているという優れもの。このまま手に引っ掛けて帰れるという持ち運びやすさや強度も担保しています。
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2-4.「直接刻む」パッケージ
アサヒ飲料では、「十六茶」 をはじめとするいくつかの飲料のボトルに直接印字するという技術を採用しました。
ボトルに直接印字してあれば、フィルムやタックシールなどが必要ありません。ラベルが取れてしまって「これ中身なんだっけ?」となってしまうこともなくなりますね。
2-5.「記載する」パッケージ
直接記載するという手法は紙パッケージにも有効です。
コーセー「雪肌精 クリアウェルネス」 では、まず商品パッケージにエコな段ボール素材を採用。また、パッケージに化粧品の使い方などを直接印刷し、紙による能書の添付をしない商品を増やす努力をしています。
2-6.「リサイクルした」パッケージ
「Re bon エッグなエコ袋」は卵の殻から作られたという紙袋。商品本体は、卵のシルエットをアイコンにしたデザインです。そこには顔を描いてもよし、使用用途を書いてもよし、そのまま使ってもよし。自由に遊べる、想像が広がるデザインになっています。卵が語りかけてくるようなデザインを採用し、サステナブルをより親しみやすく感じられるように設計されています。
この商品はT3デザインがネーミングやブランディングからパッケージデザインまでを担当しました。
ブランド名は、繰り返すという意味を持つReと販売会社である「ボンスター販売」のbonを組み合わせ、繰り返し使う地球にやさしい行動を想起させます。また、Bonという言葉を含めることで、ボンスター販売が長年にわたり培ってきた高品質と信頼性を強調。ロゴは「繰り返し使う」を表すReを強調し、未来への一歩を踏み出す強い意志を表しています。
3. デザインも素材もシンプルでサステナブルなパッケージに
パッケージは商品の顔。目一杯使って商品の良さを表現するものでしたが、近年のSDGsの波によって、少し在り方に変化が求められるようになりました。
なるべく少なく、シンプルにするのがトレンド。表現に使えるスペースは狭くなったような気がしますが、素材や形の工夫でまた違った方向に表現の幅が広がったとも言えます。
商品だけでなく、企業そのもののイメージを押し出す役割も大きくなったパッケージデザイン、まだまだこれからできることはたくさんあるんです!
T3デザインでは、エコなパッケージのアイディア、ひいてはブランディングそのものまで全てお手伝いしています。
ぜひお気軽にご相談くださいね。