
ユニバーサルな目標として掲げられるSDGs(持続可能な開発目標)。社会全体の持続可能性をはかるための世界的なムーブメントでありながら、ひとつのトレンドとしても注目を浴びています。
この目標は17のゴールから成り立っています。中でもサステナブルな社会実現に向け、多くの化粧品メーカーが取り組む内容が、以下の環境問題とジェンダー問題に対する4つのアプローチです。
特に「12. つくる責任つかう責任」「14. 海の豊かさを守ろう」「15. 陸の豊かさも守ろう」の3つは、化粧品パッケージ制作やデザインに大きく関わってくると見られています。。今やコスメ業界にとって、「エシカル」「サステナブル」を意識した商品作りは、企業自体のブランディングのためにもとてもメリットのあるものとなっているんですね。
1.エシカルコスメとは?
そうした世界の流れの中で生まれたのが、エシカルコスメです。
「エシカル」とは、「倫理的な」という意味。「エシカルコスメ」は、地球環境や、人、社会に配慮された「倫理的な化粧品」。地球の環境を壊すことなく、資源を使いすぎることもない、循環しながら未来へと持続可能(サステナブル)なコスメと定義されます。コスメに限らず、こういった商品を選んで購入・消費することを「エシカル消費」と呼び、SDGsに大きく貢献する考え方なんですね。
エシカルコスメは、自然や植物由来のオーガニック原料を使用するなど、中身に注目した取り組みが多いのですが、パッケージ制作においても、環境にやさしい設計を目指すブランドが増えているんです。
T3デザインも、この流れには大いに注目しています!
今回は、デザイン会社としてパッケージ制作の中で取り組めるエシカルな試みを、参考事例とともに紹介。今T3デザインが注目するおすすめブランドをピックアップします◎
2.エシカルな化粧品ブランド実例紹介
2-1.エシカルな化粧品ブランド実例紹介
Diane be true 株式会社ネイチャーラボ
ブランドコンセプト:ワタシも地球も好きになる
ネイチャーラボが取り組むビーガンヘアケアブランド。モロッコの国家プロジェクトや最先端の香料抽出技術を使用した、廃棄物ゼロのサステナブルな試みです。
本体容器は、96%リサイクルプラスチックのボトルを使用。詰替は、本体容器よりも廃棄プラスチックを約82%(重量比較)削減しています。さらに化粧箱を削減し、POP型のセットパッケージが採用されているところにもこだわりが見えますね。
2-2.ビーチフレンドリー処方のエシカルコスメブランド
ALLIE カネボウ化粧品
ブランドコンセプト:ひと塗りから、世界を想う。美しさつづく。
カネボウの誇るスキンケアブランドとして15年以上の歴史を持つ「ALLIE」。実はこのSDGsの波に乗って、サステナブルなコスメとしてリニューアルを遂げています。
現在世界では、一部の国や地域・ビーチにおいて、特定の成分を含む日焼け止めの持ち込みや販売を制限する取り組みが行われています。ALLIEは、そんな動きに配慮した「ビーチフレンドリー処方」を採用。パッケージにおいてもプラスチックを削減し、環境に配慮したものに変更されています。また、回収した店頭販促物を再利用し、素材の一部として使用する、「アップサイクル」に取り組んだ限定パッケージの販売も。
「ALLIE」のブランド名はハワイ語の「王族・貴族」を意味する言葉に由来しており、このことから、ハワイの環境保全活動にも積極的に参加しています。
2-3.海にも陸にもやさしい 肌だけでなく環境への負担も考えた化粧品
immuno プレミアアンチエイジング株式会社
ブランドコンセプト:肌にやさしく。海にも陸にもやさしく。あらゆるアプローチでクリーンビューティへ
プレミアアンチエイジング株式会社が放つサステナブル&クリーンなコスメブランド。
SDGsの17目標のうち、「14 海の豊かさを守ろう」と「15 陸の豊かさも守ろう」を中心に取り組み、海洋環境や森林環境などにも負担を与えない商品開発に努めています。
リサイクルプラスチック、バイオプラスチック、バガス紙やFSC® 認証資材を積極活用し、能書きや封シールなどの過剰包装を控え軽量化・簡略化を実現。さらには水なし印刷法の採用など、製造工程でも環境配慮を徹底的に追求しています。