2023/10/31 公開
2024/8/7 更新
こんにちは、おはなです!
皆さんは「認証マーク」を知っていますか?なんとなく「良い商品についているのかな」というイメージの方が多いのではないでしょうか。たしかに良い商品についているのが認証マーク…ですが、認証マークにはいろいろな種類があります。
「サステナブル」「SDGs」「エシカル」など持続可能性が注目されている現代。この記事を読んで認証マークについて理解を深めていきましょう!
1. 商品パッケージに表示する【認証マーク(エシカルマーク)】とは
認証マークについて説明する上で「エシカル」への理解は必要不可欠です。
エシカルとは「道徳的・倫理的」を意味し、人や動物の権利、公正な取引などを重視することを意味します。つまり、エシカルな商品というのは過酷な児童労働や労働者搾取、環境破壊活動、動物実験、食品ロスなどを改善するために配慮されている商品のことです。
そして認証マークとは、様々な商品やサービスが一定の基準や品質を満たしていることを示すもの。いくらエシカルコスメと謳ってはいても、それを認定するマークが付与されるには非常に厳しい基準を通過しなければいけません。だからこそ認証マークは、商品の価値や企業の取り組みを一目で示す重要な役割を果たしているのです。
【エシカルについての記事はこちら】
2. よく見かける主要な認証マークとその解説
認証マークといってもジャンルは様々。どんな意味があってどんな商品に付くことが多いのか、代表的なマークを紹介していきます!
2-1.オーガニック認証マーク
農薬に頼らず栽培される作物は「オーガニック」と定義されます。オーガニックの農作物やオーガニック由来の製品を選ぶことは、農家を助け、私たちの健康と環境を守ることにつながります。実はたくさんの種類があるオーガニック認証マーク、スーパーなどで商品を手に取る時、ぜひ参考にしてみてください。
有機JASマーク
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、JAS法で定められた基準で生産・加工されている食品に与えられるのが「有機JASマーク」です。この認証マークがある商品は「有機」や「オーガニック」と明示することができます。
太陽と雲と植物をイメージしてデザインされており、農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類に付けられています。
USDAマーク
アメリカ農務省が定めるオーガニック認証マークです。有機栽培からなる原料を95%以上使用している製品が対象となっています。95%以上という数字もさることながら、製品そのものだけでなく、作物を栽培する土地や工場などにも厳しい基準を設けていることから、世界で最も厳しい認証の1つとされています。
COSMOS認証
オーガニックコスメの世界基準認証です。IH(ドイツ)、コスメビオ(フランス)、エコサート(フランス)、ICEA(イタリア)、ソイル・アソシエーション(イギリス)という5つの団体がばらばらに制定していたオーガニックコスメの基準を取りまとめて立ち上げた、国際非営利組織「COSMOS Standard AISBL」が運営しています。
生物多様性や環境に配慮するためのコスモス基準を設け、その基準に沿った原料の使用や、植物原料の95%以上をオーガニックとすることなどを求めています。
NATRUE認証
自然・オーガニック化粧品とその化粧品原料に対する認証です。その中でも「自然化粧品」と、配合されている自然原料のうちの70%以上がオーガニックである「オーガニックな原料を含む自然化粧品」、配合されている自然原料のうちの95%以上がオーガニックである「オーガニック化粧品」という3つの認証が存在しています。
GOTS認証
繊維製品のためのオーガニック基準とそれを認証するマークです。 有機栽培(または飼育)の原料を使用し、環境と社会に配慮して加工・流通されたことを示しています。糸、生地、衣類など広い意味での繊維製品が対象となっています。
2-2. 環境を守るための認証マーク
今度は、使った製品をどう扱うか、それによって環境に及ぼす影響を少なくする、配慮するためのマークです。
エコマーク
「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つことを表すもの。地球を手で包み込んでいるデザインで「地球と環境を私たちの手で守っていこう」という願いが込められています。エコマークは2023年現在、約52000点もの商品についており、トイレットペーパーやキッチン用品などの日用品、食品の詰め替えパック、文房具、インテリアなど様々なものについています。また、2010年にはエコマークアワードが創設され、毎年エコマークの目的に向けて積極的に活動している企業・団体等が表彰されています。
どのブランドも限定商品などを除くと、モノトーンは使っても、あまりビビッドな色使いにはならない傾向が強いようです。くすみカラーや生成りをベースにすると、確かに柔らかいイメージになりますね。
再生紙使用マーク
平成7年6月の「3R・資源循環推進フォーラム」の前身である「ごみ減量化推進国民会議」によって、再生紙の利用促進・普及啓発をしていくためのシンボルマークとして定められた、再生紙の古紙パルプ配合率を表示するためのマークです。
再生紙の使用することで、製紙原料としての古紙の利用率を高め、貴重な資源を有効に利用することになります。また、古紙の利用を促進するためには、古紙利用率の向上を図る必要も。このマークを印刷物等に記載することによって、紙の古紙パルプ配合率が分かるようになっています。
バイオマスマーク
バイオマスとは「動植物に由来する、化石資源を除いた再生可能な有機性資源」を指します。原料にこのバイオマスを使用した商品につける認証マークです。
バイオマスを10%以上(乾燥重量比)使用しており、品質が関連法規、基準、規格などに適合している商品が対象。レジ袋や食品容器などの日用品、インキ、衣料品など、多くの商品が認定されています。
ただし、動植物の粗製品や食品、医薬品は、バイオマスマークの対象外です。
FSC認証マーク
森林の生物多様性や地域社会、先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品につくもの。森林を守ることは、動物や先住民族の住処を確保し、気候変動を防ぐ一つの対策にもなります。このマークは紙パックの飲料や紙袋、ティッシュやお菓子のパッケージなど紙製品についていることが多いです。
RSPO
アブラヤシを原料としたパーム油は、生産性が高く価格が安いことから近年注目され、消費量が増加しています。しかしその一方で、アブラヤシで構成された熱帯雨林の伐採が進んでいるのも大きな問題です。
RSPO認証は、熱帯雨林とそこに生きる人や動物たちの生活を守り、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するためのマークです。
農園や搾油工場を対象に、持続可能な生産が行われているか、RSPOが定めた判断基準となる原則と基準(Principle & Criteria)に則った「P&C認証」と、この認証制度によって生産されたパーム油を使用する製品を取り扱う、製造・加工・流通過程(サプライチェーン)を対象に、RSPOが定める要求事項を満たしていることを認証する「サプライチェーン認証(SCCS認証)」の2つが存在します。
2-3.生き物を守るための認証マーク
食べるもの、身にまとうもの、使うもの、そのどれもが陸海空の動物と密接に関係しています。そんな生き物たちを適正に守るための認証マークも存在します。
クルエルティフリー(動物実験非実施)マーク
製品や成分の開発・製造過程で動物実験が行われていない商品につくもの。一般的に化粧品に多くみられるマークです。ここで「ヴィーガンコスメ」と混乱した人もいるのではないでしょうか。たしかに動物実験を行っていないという点はどちらも共通です。しかし、ヴィーガンコスメはさらに動物由来の成分を一切使用していないという条件も加わります。
MSC「海のエコラベル」
世界中で愛される水産物ですが、近年は過剰漁獲が大きな問題となっています。それに対処するために作られたのが、このMSC認証。水産資源や環境に配慮しているとして、第三者の審査機関による審査によって認証された持続可能な漁業で獲られたものです。
調査の結果、持続可能な漁業方策のもとで適切に管理された水産資源は、長期的にはより生産性が増し、海と消費する側の双方にとってよい関係が築かれることが確認されています。未来の水産資源のために必要な認証マークですね。
ASC認証
社会や環境に配慮し、責任を持って生産された養殖水産物であることを認めるのがASC認証マーク。国際社会環境認定表示連合(ISEAL)の適正実施に沿って策定された基準をクリアした漁業者のみが取得することができます。
成長し続ける養殖業が生態系のバランスを崩しかねないという懸念から生まれた国際的な認証制度で、生態系、水質の保全、野生個体群の多様性維持など7つの原則を定めています。
マリン・エコラベル・ジャパン認証
一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会が管理している、日本発の水産エコラベル。世界的にも認められているラベルです。
漁業の重要性を認識し、資源の持続的利用の促進のため、責任ある漁業体制の確立を目的とした国際的なガイドラインを策定したことから始まりました。
水産資源や生態系などに優しい漁業や養殖業者、その水産物を使用して流通・加工する事業者を認証し、日本の美しい海を守りながら魚食文化の継承を目指しています。
RDS認証
RDSとは、生きた鳥からの羽毛採取や強制給餌など、非人道的な扱いを受けていないアヒルやガチョウから採取した羽毛であることを保証する国際認証基準です。
アヒルやガチョウのサプライチェーンにおける動物福祉、ダウンやフェザーの原料を認証農場からのサプライチェーンを規定しており、認証された素材を5%以上含む製品に付与されています。
2-4.生産者を守るための認証マーク
環境・動物、そして大切なのは生産に従事する「人」です。認証マークには、生産者の権利や環境を守ることを基準としているものもあります。
国際フェアトレード認証ラベル
社会的、環境的、経済的基準について定めた国際フェアトレード基準を満たしていることを証明するもの。一般的にコーヒーや紅茶、バナナやチョコレートなどの食品に多くみられ、生産者の労働環境や生活水準の保証、自然環境へのやさしい配慮がなされていることが分かります。
NOCラベル
NOC(日本オーガニックコットン流通機構)に認定されたオーガニックコットンを100%原料として使った製品に付けられる認証マークです。
通常のコットン栽培では農薬が大量に使用され、環境破壊はもちろん、生産者の健康被害も大変大きな問題です。このマークのついたオーガニックコットンを購入することは、環境ひいてはコットン農家の人たちも守ることができます。
レインフォレスト・アライアンス認証
一度見たら記憶に残るカエルのマーク。これはレインフォレスト・アライアンス認証と言います。FSC認証マークと同じく、森林を保護することが目的。ですが、FSC認証は森林を保護することを目的にしていますが、この認証は農園を管理することによって森林を保護することを目的にしています。そのため食品に多く見られ、フェアトレード認証と同様、コーヒーや紅茶、バナナやチョコレートなどに多く見られます。(※フェアトレード認証は「経済」に主眼が置かれ、公正な取引を通じて消費者の自立を支援することがメインですが、レインフォレスト・アライアンス認証は「環境」「社会」「経済」の3面から評価されています。)
3. 商品の信頼性を上げるために正しい認証マークの使い方を
いかがだったでしょうか?まだまだ認証マークはたくさんありますが、この数個だけでも知っているだけでモノの見方が変わりますよね!
近年、消費者の意識の変化を受けて、認証マークを取得している商品が増えてきました。認証マークを取得している商品にふさわしいパッケージデザインにすることで、ブランドの信頼性を高め、消費者とのコミュニケーションを強化することが可能です。
【エコなデザインについての対談記事はこちら】
もし、認証マークを取得している商品のパッケージデザインやブランディングなどをお考えでしたら、ぜひ私たちにご相談ください!一緒に次世代の商品パッケージを考えてみませんか?