2021/6/23公開
2024/8/26更新
こんにちは、デザイナーのJです。前回の持ち寄り企画“注目のコンビニパッケージをデザイナーたちで持ち寄ってみた~前編~”ですが、おかげさまで大変ご好評をいただきました!
今回は、パッケージ持ち寄り企画第二弾として今回は輸入商品を扱うお店の個性的なデザインの食品パッケージを持ち寄ってみました!
コンビニで扱われる商品とはまた一味違う見え方がありそうで楽しみですね~ということで、今回は私が所属する食品パッケージデザイン専門チーム“FooDelicious”のメンバーでお届けしていこうと思います!
J:まずは自己紹介お願いします!
こ:デザイナーの小屋(以下、こ)です!
あお:デザイナーのあおやま(以下、あお)です。よろしくお願いします!
自己紹介がすんだところで、恒例のあれからやりましょう!
せーの!
\\\ドーーーーーーン!///
J:……また買いすぎた!
こ:いや、圧巻ですね!もうワクワクしてます!
あお:気になるパッケージばんばん買っちゃいましたね。
J:それでは行ってみよう!
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1. 印刷・形状に惹かれたパッケージ編
1-1. 黄金に光り輝く「キムチいか」
こ:そしたらどれからいきますか?
J:やっぱりインパクトが強いやつからじゃない?
あお:そしたらこれですかね?
全員:うわーーーーまぶしーーーーー!!目がーーーー!!
あお:これ私が選んだんですけど、単純にお店で一番目立ってたんですよね。黄色系のパッケージって結構どこにでもあると思うんですが、これだけ完全に白引きなしっていうのは結構珍しいなと思ったので選びました。
こ:そうだね!これほど全面アルミ蒸着*のギラギラを出してる商品は他にないもんね。
アルミ蒸着とは:
紙やフィルムの表面にアルミニウムを蒸発させて薄い膜状に付着加工した素材。お菓子の包装紙等によく使用されています。
白引きとは:
印刷する素材に予め白を印刷しておくこと。金銀、暗色、透明の素材に希望する色を印刷したい場合に素材色との混合を防ぐために行います。
J:ところでこれは何味なの?
あお:実はこれ意外だったんですけどキムチ味です。キムチだったら赤系にゴールドの差し色とか入れちゃいがちなんですがインパクト重視に振り切ってるところが素敵なんです。
……それと、このパッケージ、裏面までギラギラなんです!
J:本当だ!裏まで眩しい!
こ:よく見ると商品タイトルに「無敵」って入ってる!全面ギラギラなのは無敵を表現してるのかな。セオリーではアルミ地を生かした蒸着表現は見た目が沈みがちなのでポイントで使うことが多いけど、全面に使うとセオリーとか関係ないって感じですね。
J:やっぱり何かに特化したポイントがあると目を引くな〜。1つ目の商品からインパクト大だね!続いて、どんどん行こうか!
1-2. もはや雑貨!?「ハーブキャンディ」
こ:イタリア産「強ハーブ&はちみつ」のハーバメッレというキャンディです。この商品は棚にキューっとなって入ってたんですけど、なにかなーって手にとってみると形がすごく面白かったんで選びました!
J:おおーすごくこだわりを感じる形だね。
こ:大きな壺のような形をしていて、頭の部分が蓋のようになっていてかわいいんですよね。
あお:なんの形だろう?
こ:(カチカチ……高速で検索するしながら) これは古代イタリアで薬用に使用されていたジャーをイメージしてデザインされたみたいですよ!当時はジャーでハーブを販売してたんですかね?
J:ハーブ感を形状で訴求してるんだね。
こ:こんな感じでジャーがあるみたいになりますよ!かわいいですねー。
あお:これってマット印刷ですかね?よく見ると紙を貼ってるみたいに見える。形状もこだわってるし、私こういうのいつかやりたいです。
こ:これだけ贅沢な仕様にできるときっと楽しいよね。
あお:飴って「私は飴です」って顔したパッケージがほとんどですけど、ここまでこだわると、もはや雑貨ですね。
こ:これ自立するし、飾りたくなるパッケージですね。なんだか窓際に置きたくなってきました。
J:溶けちゃうよ(笑)
話題の健康食品「スーパーフード」をわかり易く伝えるパッケージデザイン。
2. グラフィックが素敵!なパッケージ編
2-1. 力強い訴求力「ジャムサンドスナック」
J:このパッケージを見たとき驚いたんです。強い色使いとジューシーな果物に対して、ポテトチップスにミートソースがサンドされたような一見しょっぱそうなシズル…… そして豆のようなイラスト。
あお:おお〜まさに海外パッケージって感じですね〜。
J:パッケージの中にいろいろな要素があって、それぞれが個性が強いから「食べてみたい」ってすごく興味が湧いたんだよ。
あお:この豆みたいな食べ物がタマリンドでしょうかね?
こ:<素早く検索する小屋>タマリンドというのは果物らしいです。アフリカが原産のマメ科の植物でタイやインドでは日常的に食べられているらしいですよ。ちなみに枝豆を大きくしたような見た目だそうです。
J:へーーー果物なんだね。初めて知った。そして、この小粋なサンドはなんだろうね?
こ:ちょっと食べてみません?
あお:あっ甘い!バナナチップスにあまいジャムが挟まれてるんだ!わたしこれ好きかも...…っていうかこれ裏面にちゃんと商品の説明が書かれてますね。
J:あ...…本当だ…...。
2-2. アーティスティックな「ツナ缶」
あお:こんなにアーティスティックなパッケージ見たの初めてなので買いました。
こ:ウォーホル風のツナ缶だ!?めっちゃカラフル!
あお:これ面白いのが、注釈で「イラストはイメージです」って書いてあるんです。
J:でしょうねっっっ!
こ:どういう依頼がきてこうなったんでしょうね。アンディーウォーホル風にしてみましたって、なかなかならないよね。
あお:それで私、気になってるのが、シュリンクを剥いた時に中はどんな缶のデザインなのかなって。すごい楽しみなんです。
J:確かに……中の缶すごく気になる。そしたら開けてみよう!
こ:あ!
J:あーーーー!
全員:中もウォーホル風だ!かわいい〜!
こ:飾りたくなるねこれー。
あお:Jさん家のキッチンにどうですか?
J:おお。考えとくよ。(真顔)
2-3. いつからおしゃれになったんだ「サバ缶」
J:……実は僕も、魚の缶詰買ってきたんだよね(笑)サバの缶詰シリーズがたくさん出てるなと思って。ドン!
こ:まさかのサバ缶かぶり(笑) なんだかサバ缶の色って黄色と紺色が多くてなんでなんだろうなと気になっちゃった。
あお:本当だ。海外のサバ缶のイメージ配色?それとも売れた商品を各社模倣したのかな? 分からないけどサバ缶の色は黄色と紺色なんだろうね。
こ:いつからサバ缶っておしゃれになったんだろうね。
あお:この「サヴァ缶」は、おしゃれサバ缶代表のイメージです。
こ:あ!これ知ってる!デザイン好きで。知ってました?これダジャレになってるんですよ。
J:そうそう、この「ça va?(サ ヴァ?)」っていうフランス語が、英語で言う「How are you?」って意味なんだよね。それと「サバ」の音をかけてるってこと。
こ:このパッケージって日本のデザイン会社が作ってるんですよね。海外製品みたいなデザインと日本のダジャレのイリュージョンですね(笑)
あお:海外で作ってるんだと思ってた。かわいいし、記憶に残るね。
こ:こういうパッケージやりたいですよね。
J:やりたいね〜。
あお:アイデアのある缶詰制作のご依頼お待ちしてます(笑)
こ:...実は私もあるんです。サバの缶詰。
J:そろそろサバ缶って言い過ぎじゃ無い?と思ってたんだけどまだあるのか!?
あお:なんでこのサバ缶選んだの?
こ:まず缶の形状が珍しくてかわいいと思ったんですよね。
あお:すごい平べったいよね。
こ:イラストの感じもちょうど良くて私はこれを筆箱にしたいんですよね。
あお:わかる!私は石鹸とか置きたいです。
J:まさにイマジネーションが止まらないパッケージだね。
2-4. パッケージだけじゃなくフレーバーまでおしゃれな「フェアトレードチョコレート」
こ:ジャン!これ、おしゃれくないです??
J:カルディでめちゃくちゃ売れてるやつだよねー。ネットで見た。
あお:ピスタチオ味もあるんだ、味もおしゃれ。
あお:ピスタチオ味って人気だよね。たしかにすごく美味しい。
こ:外国のチョコレート特有のおしゃれ感、あるじゃん。それよ。読みやすいけど少しラフな手書きっぽいフォントとか、風合いのある写実的なイラストとか。ロマンス映画に出てきそうなチョコレートだね。良い素材使ってるんだなってのが目で見て分かる。
あお:そして燦然と輝く国際フェアトレード認証ラベルですね。
こ:チョコレートってサステナブルなやつ多いよね。あと、コーヒーも。
J:カカオやコーヒー豆の生産国には貧困や児童労働の問題が多いから。
J:特にカルディの商品はフェアトレードに力を入れてる印象があるね。美味しくて社会にもやさしいなんて、素晴らしいや。
あお:ねえ見てこれ!!裏面で、カルディのやぎがゴミ捨ててる!!
あお:おしゃれで、おいしくて、いろんなところに優しい食べ物って尊いですよね…。
J: 我々はせっせとこういう物を選んで買って、貢献するのみですな。 こ:そうですね!あと、そういうことが伝わるパッケージをつくりたい。
J:おー!デザイナーの鑑だ! こ:えへん。
J:さすがKALDIよ。
3. キャラクターの癖が強い!パッケージ編
3-1. 妄想が止まらない!?「しいたけスナック」
あお:これ私なんですけど、このしいたけ三兄弟みたいなキャラクターと商品名がインパクトあって店頭で目立ってたんですよね〜。オリジナルキャラクターを全面にドンッって入ってて……私こういうのが作りたいです!
J:イラスト得意だからな~。あおやまが提案するオリジナルキャラクター見てみたいな。
こ:あっこれ思ったんですけど意味深な感じの三人(?)なのに、関係性がわからないというか、裏面にも書かれていないんですよね〜
あお:「俺しいたけ」っていうことは 真ん中の自分を指してるキャラクターが俺しいたけってことだよね...…あと二人は?!ってなる。
J:俺たちしいたけじゃないっていうことは、もしかすると俺エリンギとか他のシリーズがあ...
こ:無いです。
J:えっ……。
こ:いま高速で検索しましたが無いみたいです。
J:ああ……。
こ:でも、俺〇〇シリーズで展開を視野に入れた商品なのかもしれないですね。パッケージセンターが変わっていくみたいな?妄想が止まらないですね。
生まれ変わって魅力アップ!愛されるパッケージリニューアルってどんなもの?
3-2. 澄んだ瞳が癖になる「刀削麺」
こ:次は私が持ってきたこれまたイラストが特徴的な商品です!この男の子が日本のスーパーでは見ない顔をしてるなと思って買いました。
J:どういうこと?
こ:男の子の目をみてください。すっっっごく澄んでるんです。(キラキラ~)
あお:なるほどね。この澄んだ目に惹かれたんだね。たしかにイラストのタッチが独特というか、国柄が出てそうだね。なんだろう、本場の味がしそう。
こ:胸に名前が買いてあって、「順」って、ほら! だからこの子は、順くんだと思います。「純信純麺」の順くんです。
あお:この一生懸命に食べてる姿を見てると急にお腹が空いてきましたね〜。
3-3. THE 目力「杏仁豆腐」
こ:この商品知ってます!お店に行くとほぼ置かれている人気商品ですよねー。
J:僕が気になったのはこのパンダの目なんですよ。よく見ると全然笑ってない。
あお:たしかに!こういうキャラクターものって可愛くしようとしちゃいますけど。全然してこないから良いですね。
J:そうそう。それで、これがキャンディも出てるんだけど、そっちのパンダも目が笑ってない。
こ:本当だ。笑ってないシリーズなんですかね。
あお:「笑ってない」でシリーズ化しないんじゃないですか(笑)
J:パンダがさ、じーっとこっちを見てくるんだよね。これ絶対パンダ側から目を合わしに来てるでしょ。それで買っちゃうんだよね。おそらく。
こ:あれ!これよく見ると「ぷるるん」とか「とろりん」とか「なめらか」がルビで入ってますね!?
あお:えっもしかして中国語で「豆」は「さわやか」って意味なんじゃ……?
J:ないだろうね(笑)
こ:本当だ!全然気がつかなかった。たしかにパンダのイラストをこれくらい大きくいれたいと思ったら、訴求をどこに入れようか迷うかもしれない。
あお:そんなときにルビ風の訴求の入れ方いいですね。覚えておこう。
4. 食品への愛が増すばかりの私たちでした!
インスピレーションの赴くままにたくさん商品を集めてみましたが、どの商品も個性的でインパクトが強いパッケージたちでした!輸入食品店って、もちろん日常的に立ち寄る人もいると思いますが、いつものスーパーとは違った少し珍しい商品に出会いたい、ちょっとしたご褒美や楽しみで行く場所でもあると思うので「なんだこれ!素敵」とか「おもしろい!」って思わせられるパッケージが多い気がします。自分用の楽しみにも、ちょっとしたお土産にもなるような、素敵で癖の強い(笑)パッケージに出会うことができました!
売り場が変われば、パッケージの表情や性格も全然違ったり、でも共通した部分もあったり……いろんな食品パッケージを知れば知るほど、奥の深い世界だな~と実感しました!僕たちFooDeliciousも今後もっと色んな場所で、色んな人に届けるパッケージ作りができたら嬉しいです。食品パッケージがますます大好きになりました!!!!見るだけでも最高!!!!!
(食品への愛の叫びはここまでに置いておいて……)食品専門チーム“FooDelicious”ではこれからも食品の魅力をお伝えしていくので、乞うご期待!以上!「輸入食品を扱うお店の食品パッケージを持ち寄ってみたら癖が強すぎた!」でした!!読んでいただきありがとうございます!