東京都渋谷のパッケージデザイン・グラフィックデザイン 株式会社T3デザイン

デザインで課題解決を目指すT3デザインのパッケージリニューアルについて

2020.01.21
事例

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デザインで課題解決を目指すT3デザインのパッケージリニューアルについて

こんにちは。T3デザインのShowGです。もう年が明けて3週間過ぎちゃいましたね。年末年始は楽しく過ごせましたか?私はあったかい部屋でゲーム三昧でした。ということで今回は年末年始にはまっていたゲームの紹介をしたいところですが...仕事の内容を紹介しろと天の声からお達しがきた為、今回はちょこっとマジメにお仕事について紹介します。(パ、パワハラだ...)

気をとりなおして、今回はT3デザインのお仕事をちょこっと紹介しちゃいます。テーマは「パッケージリニューアル」です。「リニューアル」なので、すでにある商品の問題を解決する為のデザインのお仕事です。デザインをご提案するまでに「こんなこと考えてるんだ~」とか「面白そうなことやってるな~」とか思ってもらえたら嬉しいです。少しでもT3デザインの魅力を画面の前の皆様へ提供できたらいいな~。(願望)

1.パッケージリニューアル時のオリエン内容

どうしたい?

まずは当たり前なのですが、クライアント先でヒアリングをします。こういう時はすでにクライアントの方である程度分析を済ませていることが多いです。ここでよく問題にあがる言葉があったので、勝手に「パッケージリニューアル時にクライアントから相談される言葉ランキング」を作ってみました。もちろん時と場合にはよるので一概には言えませんが...

1位 見た目がちょっと古い、ちょっと安っぽい
2位 SNS映えの拡散力が欲しい
3位 元々狙っていたターゲット層にアプローチできていない

順番にどういう問題かを説明しますね。


1位「見た目がちょっと古い、ちょっと安っぽい」

多いです。本当によく相談される内容です。こういう場合は大体2つのケースが多いです。

1)コピー文が多く、言葉での主張が強いため、商品の印象が薄れてしまった。
2)過去のデザイン制作時に流行りのモノをビジュアルに取り入れた為、数年経った今、ミスマッチが起きてしまっている。

このようなデザインはローンチ時には時代の流行にのっているため、売り場で興味が湧きやすいです。その分、ロングランさせる為の商品個性が弱くなる為、どうしても時代が変わる度にリニューアルしなければいけなくなります。「当初の予定よりロングセラーになった」という場合もあるので一概に悪いこととは言えないのですが、よくご相談されるケースです。


2位「SNS映えの拡散力が欲しい」

こちらは確実に年々増えています。1位の件とは逆に、「流行」のデザインになりやすい相談であり、1位とセットで相談されることもあります。拡散力を高めるためのビジュアルですが次の時代の「古いや安っぽい」にならないよう注意が必要です。


3位「狙ったターゲット層にアプローチできていない」

この相談は2極化します。

a)過去に設定したターゲット層が固定客となり一緒に年齢を重ねていくことに成功はしたが、今本当に使って欲しいターゲットに響かなくなり、購入層の切り替えができなくなったパターン。
b)「結構売れている。それもいい感じに。でも買って欲しい人に買ってもらっていない。なぜこの人たちが!?」という、フタを開けると購入層とターゲット層が違っていたパターン。

実際に固定客がいる良い側面も持ち合わせているのでクライアントの「ちょっと惜しいけどね...」感をビンビンに感じることもあります。他にもいろいろな理由はありますが、このように既にクライアント側で問題を見つけて、デザインでの「課題の解決」という形でご相談を受けることが多いです。

2.チーム内でのオリエン内容

T3デザイン社内でチーム内にオリエンする際には、オリエンを聞く側のデザイナーに消費者になった気持ちで聞いてもらっています。新商品パッケージでもパッケージリニューアルでもここは変わらず行なっています。限りなくユーザーに近い目線を持つことで、クライアントとは違う角度から解決すべきポイントを絞っているのです。中には思った以上に辛辣な言葉が飛び交うことがありますが、その反面、魅力的な部分も見つけられます。(クライアントには直接言えないようなことも...良いものをつくるためなので許してください。)魅力的な部分を課題解決の軸としてアイデア出しをレッツスタートです。

ミーティング

3.アイデア出し

アイデアをデザイナー同士で持ち寄り、方向性を詰めていきます。デザイナーによって解釈や打ち出し方が全然違うので同じポイントにフォーカスしているのにいろんな見え方でアイデアが出てきます。メンバーでアイデアを出すごとに、今まで見えていなかった商品の魅力が高まり、自分たちでも商品がちょっとずつ欲しくなってくる瞬間があり、この時が一番ワクワクするし、面白いです。そんなたくさんのアイデアの中から「強みをオリジナリティのあるビジュアルにできる案」を基準に選定していきます。パッケージリニューアル案件の際は、リニューアル前(現行デザイン)のビジュアルとのリンクも意識します。せっかくクライアントが開発した商品・ブランド。その商品が好きな人・思い入れのある人もいると思います。「変化」ではなく「進化」という形で見せてあげたい、と考えています。

アイデア

4.グラフィック作成〜プレゼン

そうして、社内で考えた解決案や複数の方向性をクライアントにプレゼンを行います。この時「パッケージリニューアルのなるほど」を引き出すようなプレゼンを行うよう心がけています。

「パッケージリニューアルのなるほど」とは

名残を残しつつ新しさがあるか

いきなり顔が変わると現在の固定客が迷ってしまう。とはいえ、名残を残しすぎるとパッケージリニューアルの意味がなくなってしまいます。商品のオリジナリティのある部分を残しながらも、明らかに変わったという印象をクライアントに伝えられるようにしています。

オリジナリティを高めているか

もともとのオリジナリティを残すだけでなく、さらにオリジナリティが引き立つようにします。競合商品との差別化を行ないつつ、消費者(エンドユーザー)に覚えてもらうように。固定客には「進化」を分かりやすく伝え、新規客からは共感を得てもらうようにします。売り場での見え方や印象、どう話題にされるかを意識しています。

消費者とのコミュニケーションを進化させているか

売り場での反応から家に持ち帰って使用するまでのコミュニケーションがどう変わるかを考えています。商品がどう便利かだけでコミュニケーションを図っても世の中にはすでに便利なものが溢れているので、消費者は特徴を差別化して見ることが難しいのではと感じています。そのために、機能性以外の付加価値を想起させるよう消費者とのコミュニケーションを進化させたものでご提案するよう心がけています。

この「パッケージリニューアルのなるほど」を組み合わせて、その商品のもつ課題をクリアできるようビジュアルを制作することで、自信を持ってプレゼンに臨んでいます。

5.さいごに

パッケージリニューアルは固定客の支持率に影響します。今まで生き残ってきた商品を切り替えることになるので、クライアントにとっては不安な部分もあるかと思います。商品の特徴や効果を伝えることは大事だと承知しています。しかし、商品が役割として存在するだけでなく、ユーザーとどういうコミュニケーションを取るのか、どういうストーリーを歩んでいくのかを提案できるようにT3は考えています。そのため、「便利」や「良い雰囲気」だけではなく、消費者と商品のコミュニケーションを設計することでクライアントの不安を自信に変えることができればと思っています。

最後にクライアントの大事な商品を預けていただいた以上、さらによりよい商品価値を見出し、期待に添えるようなご提案をさせていただきたいと思ってます。このブログをご覧になった方、興味をお持ちになった方などお気軽にご相談いただければと思います。(マジメな話だったけど面白いお仕事お待ちしてますっ!)