こんにちは!ゆいまーるです。
本日は、高級感あふれるパッケージ印刷加工の定番、「箔」加工についてお話しします!
箔加工とは、薄い金属の箔を紙や布に圧着する方法です。箔といえば、金箔のイメージが強いかもしれませんね。金・銀の箔が特に人気で、キラキラとした輝きが、どんな商品も一気にラグジュアリーな雰囲気に変えてくれるんです。デザインがシンプルな時こそ、箔のワンポイントが大活躍。上品さや洗練された印象をプラスしてくれます。
でも、ちょっと待ってください。箔加工、実はコストが結構かかるんです。さらには通常の印刷プロセスより時間がかかったり、細かいディテールの再現が難しかったり…。だから、私たちデザイナーも、箔加工を諦めなくてはならない時があるんです…
でもその輝きを諦めたくない!そんな時、箔のようなきらめきを他の方法で表現する方法、実は色々あるんです。
そんな「箔っぽい」パッケージデザインが叶う加工方法について、これからお話ししましょう~☆彡
1.「箔」といってもいろいろ!
「箔っぽい」加工の前に、「箔」加工についてもう少し紹介します。
箔といえば、金・銀のイメージが強いですが、実は意外にも色んな種類があるんです!
たとえば、金箔・銀箔も印刷会社によって発色や色合いが微妙に違っていたりするんですよ。大きく違いが出るのは、光沢のある「ツヤありの箔」と鈍い輝きが味のある「ツヤ消しの箔」ですね。ツヤの有り無しで与える印象はだいぶ変わってきます!
ツヤがある箔は光を反射するので華やかな印象になります。ツヤ消しは、マットに見えるので大人っぽい印象に。もちろん紙や容器の加工や、箔以外のデザインとのバランス次第で様々な印象が作り出せます◎
色も金・銀に限らず、プラチナゴールドやピンクゴールド、ブルーやレッドなど色箔もあります!また、角度によって発色が変わるオーロラ箔や、ホログラム箔など、様々な箔の種類を、印刷会社は日々開発し続けています。容器やパッケージによっては、箔加工ができない場合もあるので、気になったら仕様の確認や見本の取り寄せなどしてみてください◎
また、紙に凹みをつける形で施す「押し加工」、金を熱で表面に圧着する「ホットスタンプ」など、箔自体をどのような形でパッケージに付着させるかの方法によって印象が異なってきます。コスト面が心配になってしまうかもしれませんが、箔加工の範囲を狭くしたり、やロット数が増やしたりすることで、安価に抑えることができる場合もあるので、どうしても箔加工がしたい!と思ったら、まず印刷会社に相談してみることをおすすめします◎
2.箔っぽい加工、5選!
箔についてご紹介しましたが、ここからは「箔っぽい」印刷加工について話していこうと思います!
2-1.メタリックなインクの使用
メタルインクは、実際の金属粉末を含むインクで、印刷することで金や銀のようなメタリックな輝きを表現できます。
「特色の金」「特色の銀」などとデザイナーは呼ぶことが多いです。通常のインクに比べやや高価ですが、箔押しに比べればかなりコストを抑えることが可能です。光を反射して輝くメタルな見た目が特徴で、高級感を演出できるのがポイントです!化粧品のパッケージや高級食品の箱など、洗練された印象を求める商品に適しています。
PANTONE指定で、メタリックカラーを選ぶことができます◎ 気になる方は、メタルカラーの見本帖を入手するのも良いかと思います!
2-2.UVスポットコーティング
特定の部分にのみUVニス(※)を施し、光沢や質感の差を出す方法です。
※UVニスとは:紫外線で硬化する光沢仕上げ材のこと。
高いコントラストでデザインを際立たせることができます。ジェルネイルの透明コートみたいなイメージですね!
たとえば、光沢のあるインクだけだと、平面かつ箔に比べて輝きが控えめになってしまうので、インクの上に透明のニスを敷いてあげることでぐっと存在感が出てきます。ただし、仕様や印刷会社によっては、どうしてもニスが指定位置から数ミリずれてしまうことがあるので、事前にリスクの確認は必須です!
ニスをのせるのとは逆に、ツヤのある紙や容器にマット加工を施し、キラッとさせたい部分だけマット抜き(マットニスを塗布しない)する方法もあります。この場合は、箔押し加工のように、ニスがぷっくりのらない部分が凹んで見えるので、立体感が出て素敵な仕上がりになります。ただし注意したいのは、ニス抜き部分に色をつける際に印刷のズレが発生することです。ぷっくりの枠と、印刷した色がずれてしまう可能性を考慮したデザインにしなければなりません。
ニスは基本的に透明ですが、ここに塗料を混ぜることで1つの版としてカウントする印刷方法もあります。これは印刷会社と要相談になりますし、綺麗に仕上がるかどうかのテストも必須になるので、かなり難易度の高い方法になりますが、不可能ではありません。
2-3.メタリック素材の地を活かした加飾
次は、食品やサプリなどでもよく使われる印刷手法です!その名も、「地活かし」!!
たとえば、アルミパウチや蒸着紙など、地の素材がメタルな場合。インクを100%のせると地の素材は見えなくなるのですが、あえて色を少なくのせることで地のキラキラが見えてくる、というギミックです。地の色が銀の場合、黄色系のインクを数%印刷してあげると疑似金インクが再現できるということですね。
地の素材にもよりますが、実はこの手法は沢山使われていて、箔に見せないにしても、のせるインクの量を調整してパッケージ自体を少しキラキラ見せたりなど、色んなところで使われる技法です。ただし、箔やメタルインクに比べると輝度が下がってしまうので、キランッ☆と輝かせるまでは難しいという点は留意しておかないといけません。
2-4.紙や容器の素材にこだわる
箔っぽい印刷方法について紹介してきましたが、最後に、パッケージや容器の素材で高級感を出す方法について離したいと思います。
箔加工は美しい反面、印刷範囲が広くなればなるほど費用が上がるもの。箔加工が可能な場合でも、広い面に印刷ができず表現が限られてしまうこともあります。そんなとき、「そもそも箔加工をすること」が絶対だっけ?と思い返したりもします。たとえば「光」をテーマにしたデザインにしたいなど、シンプルなロゴ入れなどにこだわらない場合は、できる表現は他にもあるかもしれません。
「高級感を出す」ということを優先する場合、紙や容器の素材にこだわってみるのも一つの手かと思います。印刷加工だけでなく、パッケージ素材にこだわることで、グッと高級感や上質感を表現できる場合があります。アルミ蒸着紙や、ホログラム紙など、紙自体を輝く素材にすると、インクの濃淡や印刷箇所だけで色んな表現ができることがあります。
容器の場合も、ガラスやプラなど色んな素材がありますが、容器表面にインクをのせる塗装だけでなく、容器素材に塗料を混ぜ込む「練り込み」にパールの粒やラメなどを加えることもできます。
2-5.デザインと並行して確認が必要
いずれも、印刷会社への確認が必須で、企業・デザイナー・印刷製造会社での連携も大切になってきます。せっかくデザインが仕上がっても、印刷条件が満たせなかった場合、急遽デザインを変更しなければならないという事態が発生することもあります。
目指したいイメージに近づけるため、どんな加飾が適切なのか?コストや表現の可否、仕上がりのクオリティを考慮しながら慎重に進めていかなければならないんですね。
3.印刷加工条件のご相談もお待ちしております
いかがでしたか?「箔」の印刷加工を中心にパッケージの印刷加工についてお話ししました。もし今後パッケージ印刷について検討する場合は、「高い…」と諦めてしまっていた加飾も、他の方法を探してみると良いかもしれません。
パッケージデザインを行うということは、グラフィック制作に留まらずその加飾や印刷条件まで考えることだと思っています。デザインはそもそも「解決に導くための手段」なのですから、その方法を模索するところまでがお仕事。
T3デザインでは、パッケージの印刷加工条件を考慮してのデザインをご提案しています。もし迷ったり難しいと感じる場合は、一緒に最適な表現を模索いたしますので、ぜひ気軽にご相談ください◎