東京都渋谷のパッケージデザイン・グラフィックデザイン 株式会社T3デザイン

日清食品、健康食品ブランド「日清ウェルネス」のブランドサイト制作の裏側を公開

2018.10.23
インタビュー

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日清食品、健康食品ブランド「日清ウェルネス」のブランドサイト制作の裏側を公開

T3デザインの実績の多くは、商品の容器やパッケージデザインの制作。しかし実は、ウェブデザインやLP(ランディングページ)制作の事例もたくさんあるんです。ウェブデザインは、商品やブランドのコンセプトを伝える上でとても重要なツールのひとつです。

T3デザインは以前、健康食品ブランド「日清食品ウェルネス」のブランドサイトデザインを担当させていただきました。そのクライアントである日清食品のご担当者様から、あれこれとお話を聞きました。いつもとは違い、T3デザイン側だけでなくクライアント様の声もお届けしたいという思いから、今回はブランドサイト制作の裏側について、対談形式でお届けします。

T3デザイン(以下T3D):この度はT3デザインに日清食品ウェルネスのブランドサイトデザインを依頼いただき、ありがとうございました。突然のインタビュー企画のご依頼にも快諾いただき、感謝しております。案件への思いや制作裏話などをいろいろと聞かせていただければと思います。

日清食品様(以下NSS):はい、よろしくお願いします。


1. 新しいブランド「日清食品ウェルネス」について

1-1. 企業ロゴのイメージカラーを赤→緑に初めて変更

チキンラーメンの時計がお出迎え

インタビューのお申し出に快く応じてくれた日清食品株式会社様。受付ではチキンラーメンの時計がお出迎え。

T3D:日清のCMやキャンペーン施策を見ていると、「やんちゃ」というか「はっちゃけている」というのが世間のイメージとしてあると思うんですけど、今回の「日清食品ウェルネス」というブランドはその真逆の雰囲気があり、とても印象的でした。さらに衝撃的だったのが、企業ロゴのイメージカラーを変えるという要望。日本人なら誰でも見たことのあるロゴの赤いカラーを変えるとは…。今までに、このロゴのカラーを変えたことってあったんですか?

NSS:いえ、ロゴのカラー変更は基本的にNGだったので、今回が初めてですね。

見慣れたこのロゴマーク、食を楽しむ人の“口元” “笑顔” になぞらえて“リップマーク”と呼ばれているそう。今回、カラーチェンジが行われ鮮やかな緑のリップマークが誕生。

リップマーク

T3D:そうですよね。なので、「日清食品ウェルネス」ブランドは、御社としても思い切った事業展開なのかなと思ったんですが、実際はいかがですか?

NSS:コーポレートマークをベースとして使っているのですが、位置付けとしては「日清食品株式会社の健康食品ブランド、日清食品ウェルネス」なんです。「日清食品ウェルネス株式会社」とか「日清食品ウェルネス事業部」 ではないんですよ。“健康食品ブランド” という位置付けになっています。だから、緑のロゴはブランドロゴになります。

T3D:今回、ロゴの色を変更するに至ったのは、どういった経緯があったのでしょうか?

NSS:そもそも、みなさんが見慣れている日清の赤いロゴは、食を楽しむ人の“口元” “笑顔” になぞらえていて、私たちはリップマークと呼んでいます。笑顔のイメージの他にも、安全や安心を追求するという意味も込められています。今回、新しく健康食品ブランドを展開するにあたり、その要素を維持しつつ、健康的な要素をより一層強く打ち出したいと思い、緑色を選びました。

T3D:日清食品という根幹はしっかりと残しつつ、新たな展開にチャレンジするためにロゴのカラーを変えたと。

NSS:はい。日清食品であることと、新しいチャレンジであることの2つを伝えたかったんです。ロゴも最初はもっといろんな形を検討したんですが、「やっぱり日清食品といったらリップマークだよね」となりまして…。色々試した結果、1 周まわって帰ってきた感じです(笑)

1-2. カップ麺も健康食品も全ては“食”である

T3D:日清食品といえばインスタントラーメンというイメージがあると思いますが、新たに健康食品に力を入れて展開するというのがすごく面白いなと思いまして。

NSS:弊社には4つの企業理念があり、その一つに“美健賢食” があります。「美しく健康なカラダは賢い食生活から」という内容です。 人々の健康の課題として「健康寿命の延伸」が注目されており、弊社も企業理念の下にその課題解決に役立つ研究に取り組んでいます。健康寿命というと年齢を重ねてから気をつけるものだと考えられがちなのですが、若い時からの積み重ねが大切だと考えています。 年齢を問わず、日々の生活の一部である「食」の面からサポートをする事で、健康寿命の延伸に貢献したいという思いがあります。

Webサイトでも大きく掲げられている“美健賢食”という企業理念。日清食品ウェルネスが最も大事にしている考え方。

Webサイトでも大きく掲げられている美健賢食

1-3. 日清食品の揺るがぬ4つの理念

T3D:今回私たちはブランドサイトデザインを担当させていただいたのですが、そのウェブサイトでも美健賢食で1ページ設けてありますし、かなり大事なところ考えなんだなと感じました。この美健賢食っていうのは創業当時からあるようなものなんでしょうか?

NSS:そうですね、創業者精神なんです。美健賢食は日清食品の考え方の根幹ですね。日清食品には4つの企業理念がありますが、その中でも、健康食品を展開する上で美健賢食をという理念を大切にしています。

企業理念

T3D:以前テレビ番組で見たことがあるんですが、戦後の食糧難で食の大事さを実感したことが、チキンラーメン誕生に繋がったと聞きました。

NSS:それが食足世平という考え方です。お腹を空かせて疲れ切った人々が闇市のラーメンの行列に並ぶのをみて、「あれをもっと手軽に簡単に食べられるようにして、皆のお腹を満たして幸せにできないか」ということから研究がスタートしてインスタントラーメンになりました。

T3D:一番最初のきっかけは「みんなが食べられるように」。そこから発展して今、食で健康をサポートする日清食品ウェルネス。揺らいでいないですね。

1-4. 日清食品ウェルネスとして展開する商品

T3D:そういった流れで立ち上がった日清食品ウェルネス。現時点ではスーパーフードや乳酸菌サプリメントなどが出ていますね。日清食品ウェルネスブランドとして展開する商品で、統一したコンセプトや大事にしていることってどういったことなのでしょうか?

NSS:日清食品ウェルネスならではといえる「+αの価値」を大切にしています。日清食品独自の乳酸菌原料を使用したアレルライトや、DHA&EPA にケルセチンをプラスするなど独自性のある商品を出しています。

T3D:なるほど、なるほど、日清食品ウェルネスは新しい提案へのチャレンジを続けていくという事ですね。

2. T3デザインの手がけたブランドサイトデザインについて

ここからは、T3デザインで手がけた日清食品ウェルネスのブランドサイトのウェブデザイン制作についてお聞きしました。

T3D:最初に日清食品様からご要望があったのは、「みんなが知っている日清食品じゃない面を出したい」という点でした。CMで小林幸子さんが本社ビルを破壊したり、ビートたけしさんが暴れまわったりとか、そういった面ももちろん日清食品なんですが、今回は今まではあまり表に出さなかった面を見せていきたいっていうお話し頂きましたよね。日清食品の2面性というか真面目な部分を見せたいという、そこのバランス感覚についてはかなり綿密にお打ち合わせをさせて頂きました。

NSS:そうですね。それらを実現するため、いくつかのデザインパターンを提示いただきながら、ウェブデザインを詰めていきました。最終的にはうまく2面性を表現できたと思います。

当初のデザインアイデアのうちのひとつ。お互いに意見を交換しながら最終的に現在のデザインに決定。

ウェブデザイン

T3D:要望通り、真面目な日清食品様を見せられるようなウェブデザインに仕上げられたでしょうか?

NSS:そうですね。弊社には、商品の研究開発をする「グローバルイノベーション研究センター」と食品の品質や安全を研究している「グローバル食品安全研究所」があります。これらの研究所で、最新の商品の開発、品質の研究をしているという信頼感を表現してもらえたと思っています。また、食品としての身近さや生活感も表現して頂けたと思っています。真面目で、優しい人の様な温度感の表現ですね。

T3D:おぉ~・・・。

NSS:日清食品は、製薬会社ではなく食品会社です。食品と薬は役割が異なります。生活の一部である「食」でみなさんの健康をサポートをしたいと考えています。そこの違いをうまく出して頂いたと思います。

T3D:今日はとても良いお話が聞けました。私としても、御社の商品を子供の頃から食べていますし、そういった企業とお仕事をさせて頂いて、非常に楽しい案件でした。今後とも何卒よろしくお願いします。お忙しい中、お時間頂きましてありがとうございました。

NSS:ありがとうございました。