はじめまして!デザイナーのリオンです。今回は弊社T3デザインの伝家の宝刀、「プロダクトカット撮影」についてご紹介します。タイトルから都内の絶景を回るのではないのかと感じた方、大変申し訳ございません。 本ブログでは、T3デザインが力を入れている「撮影」について、デザイナーやカメラマンのこだわりポイントを楽しく発信していきます!普段は中々見ることのない撮影現場の様子や、現役で活躍するT3デザイナーの声も掲載していきますので、ぜひご覧になってください。
では、プロダクトカット撮影のウラ側の世界をお楽しみください!
1. いざスタジオへ出発!
1-1. 実績ページで発信するプロダクトカットの撮影現場
プロダクトカット撮影について、すこーしだけ補足をします。私たちT3デザインは様々なパッケージデザインを制作しておりますが、パッケージデザインのデータをクライアントに納品して終わりではありません。 T3デザインのコーポレートサイトで素敵なデザインの実績を沢山の方に発信するため、毎月カメラマンに依頼して撮影したデザイン実績を随時更新をしています! 時には商品パッケージの世界観に合うようなセットを組んだり、小物やアイテムを添えてみたりと、商品ごとで見せ方にこだわりが生まれるので、撮影の度に仕上がりが楽しみです。
自身で手がけたデザインが綺麗な写真になって掲載されるのはデザイナーにとっても嬉しい瞬間です。 (もちろん各企業様の確認と承認を事前に得て掲載しています!) 今回は、私のプロダクトカット撮影立ち合いの一部始終を順々にお届けできればと思います!
1-2. 渋谷のスタジオにお世話になっております
今回プロダクトカット撮影をする「i bank フォトスタジオ」は、会社からたったの徒歩10分!T3デザインから、結構近いんです。渋谷ストリーム、スクランブルスクエア、渋谷駅を抜けて、桜ヶ丘の並木道を進みます。 今は時短営業中ですが、桜ヶ丘は寄り道したくなるような素敵なお店や飲食店がたくさん揃っているので、歩いているだけでも楽しいです。下の写真は2019年にオープンした渋谷ストリームです。天井には冬の季節限定で灯篭が飾られており、夕方以降は幻想的な景観が広がります。
道中にある桜ヶ丘の坂道。実は正式に「桜通り」という素敵な名前があるんです。春には都会の渋谷でも桜並木を楽しめる貴重な花見スポットになっています。大きな再開発が進む南側ですが、桜ヶ丘には昔の面影を残すレトロな建物や風景がたくさん残っているので散策にオススメのエリアです!スタジオはそんな桜ヶ丘に建つビルの一室にあります。
2. スタジオ到着!
デザイナーリオン、現場入りです。勿論、撮るのも撮られるのも私ではありませんが、毎回ワクワクしてしまいます!そして今回、プロダクトカットの撮影を担当していただくカメラマンの岩井さんです!今月もどうぞよろしくお願い致します。
基本的には、商品パッケージを制作したデザイナーが撮影に立会い、複数ある場合はデザイナーも入れ替わりでスタジオに入ります。今月は実績が3件あるので、私以外にも3人のデザイナーが同行しました!今回私はインタビュアーとして現場に参加しています。(スタジオではマスクにアルコール除菌、ソーシャルディスタンスの確保と感染症対策はしっかり行なっています。)
2-1. まずは、指示書の確認
スタジオに着いて最初にすることは、カメラマン岩井さんとの指示書の確認です。指示書(カンプ)とはデザイナーが「こんなイメージで撮ってほしい!」という要望をまとめた依頼書のことで、撮影日の前にあらかじめお送りしています。これをカメラマンとデザイナーが一緒に確認することで、仕上がりのイメージをすり合わせるので撮影には必須のアイテムです!
上の写真ではピントの位置や影の落ち方、商品の向きなどの細かなすり合わせを担当のデザイナー(小花さん)が岩井さんと調整しています。 この段階でほぼ写真のイメージが共有できるので、いよいよ撮影に入ります!打ちっ放しのコンクリートに大きな機材やモニター……まるで秘密基地のような様相に毎度浪漫を感じます!
望遠レンズを使って離れた距離から撮影をしています。広角レンズは被写体に不要な遠近感が出てしまうので、このような小さい被写体では望遠レンズを使います。離れた距離から望遠レンズで撮ることで、物の形を正確に写すことができます。この写真は私がスマホで撮っていますが、後ろにある大きな白ボードが少しすぼまって見えていますね。まさにこれがプロダクトカット撮影における不要な角度なんです。こういった見え方にも常に注意してカメラとレンズをセッティングしています。
\パシャ!!/
3. 細かい撮影ポイントに沿って出来上がった写真がこちら!
ではさっそく撮影した写真を見てみましょう!まずは仕上がりをご覧いただき、 細部に施されたカメラマンさんのこだわりや技を追ってガイドしてきます! まずはこちら!
3-1. ミュゼプラチナム様「ボディウォッシュ」
担当デザイナー小花の要望
パッケージの外箱は、ニス(透明なツヤ出し液)に銀色を1%混ぜた繊細な印刷表現でうっすらと色をつけています!スキンケア用品なので、白背景で清潔感と明るさが一目で伝わる写真にしたいです!
撮影ポイント!「写り込みを防ぐ」
艶のある容器を普通に撮ると、周りのもの(天井や機材など)が反射して写り込んでしまいまうので、周囲を囲いで覆い、不要なものが写らないようにセットをしてから撮影します!色の濃い服なども写り込み要素なので注意が必要です。今回は、明るくツヤのあるパッケージの撮影だったので、白の囲いをすることで綺麗な写真に仕上げました!
撮影ポイント!「僅かな色の差を捉える」
実は、細かい銀箔などの特殊印刷の部分は、かなり光を当てないと輝いてみえないため、一発で紙箱本体と特殊印刷部分の両方を綺麗に撮るのは非常に難しいです。 だからと言って、わずかな銀箔の印刷部分を目立たせるために光を当てると、箱の方が白く飛んでしまいます。 こんな場合は、全体がしっかりと映った写真を撮り、あとで印刷部分にのみ編集を加えて自然な輝きに見せるなど工夫をしています。
全て同じ向きにするか、別々の向きにするか...デザイナーの小花さんも微調整に悩んでいます。指示書を作る段階ではわからない問題点が、実際に撮影をして見つかる事は多々あります。こういう場合にデザイナー本人の立会いがあると、撮影がスムーズに進行できるんです。
上の写真で岩井さんが確認している画面中央に写っているカラフルな正方形の紙。何に使うかお分かりでしょうか?これは写真の白色部分がちゃんと白く見えているかを確認する「カラーチャート」というアイテムで、このシートを被写体と一緒に撮影することでモニター上で色味の確認ができます。
3-2. シュンファ様 「元気酱板鸭」
次は食品パッケージの撮影です!手がけたのはデザイナーJ。どんな仕上がりになったのでしょうか!
担当デザイナーJの要望
鴨のキャラクターはイラストレーターに描いてもらった見せ所なので、よく見える写真にしたいです。また、中国語のタイポグラフィやジャーキーのシズル写真も目立たせたいので、もう一枚は全体を俯瞰したカットでお願いします。
実績の詳細はこちら。
撮影ポイント!「白は白く見せる」
袋自体の凹凸や光の当たり方によって見えている色は微妙に変化しているので、タイトルの白い文字を「白」として目立たせるために、文字の上にある不要な影(グレー)は取っています!文字部分を鮮明な白に近づけることで商品がはっきりと見えるようになります。※ちなみにパッケージデザインに使用しているジャーキー画像は別のフォトグラファーに撮っていただきました!
4.デザインと撮影
4-1. 写り方で商品の印象が変わってくる
今回は2件の撮影をご紹介しましたが、スタジオ現場の雰囲気はお楽しみいただけたでしょうか?毎月更新しているプロダクトカットは、このようにT3デザインなりのこだわりをもって撮影しています。もちろんT3デザインでは、パッケージデザインや、キービジュアルに使用する画像の撮影も行っています。食品のデザインでは見てるだけでお腹がすくような美味しそうなシズルを、化粧品のデザインでは、クリームのなめらかさを表現したりと、商品のカテゴリーや特徴によって撮影方法はさまざまです!モデルのキャスティングから手配して撮影するなど人物を入れた撮影や、商品単品ではなくて、背景を入れたシーンなどの撮影実績も増えてきました。
写り方で商品の印象も大きく変わってくるので、私たちは撮影も常にデザインの一環として注力しています。光の表現が上手なカメラマンさん、食品シズルの撮り方が絶妙なカメラマンさん、など様々な分野の経験が豊富なカメラマンの方々と提携しているので、もしデザインと一緒に素敵な写真を使用したいという場合は、T3デザインにお任せください!
4-2. 帰り道に撮ってみました
最後までご゙覧いただきありがとうございました!プロダクトカット撮影って奥深いですよね。私自身も撮影の立会いをきっかけに、SONYのミラーレスを購入したカメラを楽しむ者の端くれです(笑) T3デザインは渋谷の南側、つまり近年再開発が進むワクワクエリアにありますので、ブログの締めとして帰り道に撮った写真を少しお見せして終わりたいと思います!今回ご協力をいただいたアイバンク岩井さん、ありがとうございました!それではみなさん、T3デザインの新実績、ぜひ見てくだいね。
ご協力
アイバンク フォトスタジオ
代表:岩井清臣(いわい きよおみ) 様
E-mail:iwai@i-bank.co.jp
(Studio & Office)〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町13-10 桜ヶ丘ハイホーム402
iPhone:090-1051-5193(岩井) TEL: 03-3496-8811 FAX: 03-3770-4540