T3デザインが手がけたリニューアル事例(パッケージデザイン)を紹介します。 今回ご紹介するのは、コスプレイヤー御用達の化粧品ブランド「COSCOS」のファンデーションや下地の外箱パッケージをリニューアルした事例です。
1. COSCOSは、コスプレイヤー定番のコスメ
「COSCOS」は、写真写りにこだわるコスプレイヤーを応援する化粧品ブランド。アニメやゲームのキャラクターになりきるため、テクスチャーは自分の肌色を隠すほどの濃い色で、顔の血色を無くしたり、褐色にしたり……と気軽に特殊メイクを楽しめます。ファンデーション、コンシーラー、パウダーなどのメイクアップ商品だけでなく、ボディファンデーションやクレンジングまで専門的かつ幅広いラインアップが揃っています。
容器のデザインは、さまざまなビジュアルに変化できるという商品の特徴が、カラードットで表現されたデザインです。 T3デザインは今回、商品の外箱のパッケージデザインをリニューアルさせて頂きました!
2. 「普段使いにも!」目的は、新たなファン層を拡大すること
クライアントの要望・その1
「新規ユーザーを取り込みたい!」クライアント会社にリニューアルの目的を伺ったところ、現状ではコスプレイヤー層に支持を受けているものの、競合の化粧品と比べても商品特徴や機能性に長けており、「これまでの市場だけで販売するのはもったいない」「COSCOSは、コスプレイヤー以外の一般ユーザに対しても、悩みを解決できるポテンシャルがある商品であるはず!」と担当者は考えていました。
とはいえ、今までのメインユーザーであるコンテンツファンはニッチな商品に優位を感じるユーザーが多く、安易な市場拡大は反感を買う恐れがあるかも……(インディーズバンドがメジャーデビューしてしまったというイメージでしょうか。) そこで、「すでに商品のファンであるユーザーを逃してしまわないこと!」が今回のリニューアルの重要なポイントでした。
クライアントの要望・その2
「売り場を拡大したい!のちのちは海外でも……」クライアントの要望・その3
「もっと商品パッケージに説明入れたい」また、現行の外装箱は商品との連動が薄く、パッケージに商品の説明がまったく入っていないデザインだったため、そのあたりもリニューアルのポイントでした。
3. デザインのリニューアルはこうして完成!クライアントの要望をパッケージデザインに落とし込みました。
「既存ユーザーの好みと、新規ユーザーを取り込むデザインを共存」
メインターゲットであるコスプレイヤーが好む表現と、普段使いでも違和感がない化粧品らしさ。この二つの方向性をハイブリッドさせることを目標に、デザインを作成。
コスプレイヤーが日頃から目にしているデジタルな世界観をデザインに取り入れながら、敷居が高くなりすぎないデザインが最終的なアウトプットとなりました。
4つのデザインポイント
①コンテンツらしさを盛り込むこと
●コンテンツファンが普段目にする、映像の構成要素「 ピクセルドット」をモチーフにしたデザインを作成。
② 店頭で「化粧品」だとわかってもらえること
●バラエティショップのコスメエリアに置いてもしっかり目立つよう改善。
●普段使いしたい人が気兼ねなく選べる、より「コスメ感」を意識した顔つきへ。
③ 横展開、ラインナップの幅広さを強みに
●用途で色分けし、容器やバルク色を連動させました。パッと見で特徴が伝わる配色へ。
●多色なパッケージがずらりと並ぶことで、ラインアップの充実感も演出。
④ オリジナリティを盛り込んで差別化
● 既存ユーザーが好きなデジタルな世界観を、普段使いしたい新規ユーザーにも違和感ないよう、抽象的に表現にすることで、「スタイリッシュなデジタル感」に仕上がりました。
4. 担当デザイナーの振り返りとクライアントの声
デザインを担当したデザイナー:T3デザイン Art Director 庄子哲
今回の事例では、元々表現したい明確な世界観がクライアント様の会社の要望としてあったので、それを具体化してパッケージデザインに落とし込みました。 元々の商品のブランドイメージを維持し、既存ユーザー離れしない印象にする必要があったため、温度感のバランスの構成が難しいと感じました。
「どうすればさらに良くなるか」をご担当者様と悩みながら進めた甲斐があり、既存ユーザーも新規ターゲットも両者が手に取りやすいパッケージデザインに仕上がったと思います。幅広い使い方ができる高い機能を持った商品なので、自分らしい使い方で日々の変化を楽しむユーザーが増えればと思っています。
クライアントの会社:株式会社リベルタ 商品部 企画制作課 マネージャー 森本 和浩様
もともと、コスプレイヤーへ向けたニッチなコスメブランドでしたが、一般流通への販路拡大に伴い、パッケージリニューアルの依頼をさせて頂くこととなりました。コスプレイヤー以外の一般の方へ向けた、コスメブランドとして新たに展開するにあたり、パッケージデザインの変更にはとても悩みました。
特に、もともとのユーザーが持つブランドの世界観を大切にしながら、新たなユーザーを獲得しなければなりません、そのためブランドの顔となるパッケージは特に重要で、慎重に決定していく必要がありました。何度も何度も担当の庄子様とイメージに関してすり合わせをさせて頂きながら、ブランドの大切にしたい点や、表現して頂きたい世界観をパッケージへ反映して頂きました。
その結果、今まで商品を愛用してくれていたユーザーのイメージや期待を裏切ることなく、パワーアップしたCOSCOS を受け入れてもらえ、気に入って頂けているコメントや評価を数多く頂きます。
これから本格的に、新たな販路へリニューアルしたCOSCOS が並ぶ機会が増えてまいります。商品と共にパッケージに込めた想いがさらに多くのユーザーへ届くことが今からとても楽しみです。
弊社T3デザインでは、今回紹介した事例のほかにも、株式会社FANCL様、30代女性向けの新ブランド「アンドミライ」 のデザインや、株式会社リベルタ様、男性向け化粧品「アスリートデオ」など、様々なターゲットに向けた化粧品のパッケージデザインを多数手がけています。また、パッケージデザインだけでなく「売り方」のご提案として、什器や販促ツールのデザインも得意としています。
当社には感度の高い女性デザイナーも多数在籍しております。
化粧品のパッケージデザインの新規ご依頼、リニューアルを検討されている会社様など、ぜひ一度お気軽に相談ください!