
こんにちは!広報部長です★彡
サステナブルやSDGsなど、地球環境への配慮がトレンドとしてすっかり定着した昨今、積極的に自然物をデザインに取り入れていくこともまたトレンドとなっています。
今回は「バイオフィリックデザイン」というトレンドワードに注目。どんなデザインなのか、パッケージデザインと関係があるのか、考えてみましょう◎
1. 注目の集まる「バイオフィリックデザイン」

バイオフィリックデザインって何?
バイオフィリックデザイン(Biophilic Design)とは、人間が本来持っている「自然とのつながりを求める欲求(Biophilia)」をデザインに取り入れる考え方のことです。
主に建築やインテリア、オフィス空間などでよく用いられていて、木材や石、竹、リネンなど、手触りや質感に自然を感じる素材や観葉植物、グリーンウォール、水盤、アクアリウムなどを配置することで表現されています。
また、大きな窓や吹き抜けで太陽光や風を取り入れる、葉脈や波紋、六角形(ハニカム)など自然界にあるパターンを模したデザインを施す、窓から緑が見えるように屋内外の境界を曖昧にする構成を用いるというようなことも、バイオフィリックデザインと言えるようですね。
バイオフィリックデザイン、流行ってるの?
そう、この「バイオフィリックデザイン」、昨今のトレンドです!
比較的新しくできたオフィスビルや商業施設、カフェなどを見るとわかりやすいですね。ジャングルみたいに観葉植物が配置されていたり、外観にもグリーンを這わせていたり、自然の要素を積極的に取り入れようとしたデザインが増えています。
「癒し」「ウェルビーイング」「集中力向上」なんていう言葉が多用されるこのストレス社会、ニーズが高まっているのではないでしょうか。サステナビリティやSDGsの流れとも相性が良いですよね。バイオフィリックデザインは、2020年代に入ってからじわじわ世界的に広がってきています。
特に「働きやすいオフィス」「居心地の良いホテル」「環境に配慮した住宅」の分野で導入が進んでいますし、日本でもIT企業や不動産デベロッパーが積極的に取り入れています。
具体的にどんな感じ?
例えば、株式会社パソナでは「バイオフィリア理論」に基づいた空間づくりを行う独自のソリューションとして「COMORE BIZ」を立ち上げています。
空間設計と植物のプロが、人と植物が共生できる環境を目指して、総合的なバイオフィリックデザイン空間を提案してくれるそうですよ。
イタリアのミラノにある「ボスコ・ヴェルティカーレ」は、垂直緑化を取り入れた住宅タワー。なんと20,000本以上の植物を側面に配し、CO₂削減や環境調和に大きく貢献しているそう。バイオフィリックデザインの象徴的なプロジェクトです。
シンガポールにあるジュエル・チャンギ空港は、世界最大級の室内滝「Rain Vortex」や100,000株の植物を含む巨大な温室空間が置かれています。もはや森。
で、パッケージデザインに関係ある?
関係…あります!
バイオフィリックデザインというトレンドは、サステナブルやエシカル消費が注目されている今の時流とシンクロしています。ということは、バイオフィリックなアプローチをもって「自然と調和している」「環境に配慮している」と感じさせるパッケージデザインも今「旬」ということになります。ユーザーにも「時代を捉えている」という好印象を与えることができるわけですね!
例えば、クラフト紙や再生紙などのナチュラルな素材を使って自然素材を表現する、葉っぱや木目、水の流れなど、自然モチーフをグラフィックやイラストに取り入れる、アースカラー(緑、ベージュ、ブラウン、青)を用いて自然の安心感を表現する、サステナビリティを打ち出し「地球や人にやさしい商品」というイメージを伝えるなどなど、できることはたくさんありそうです◎
2.「自然」のモチーフを取り入れたパッケージデザイン
さて、ここでT3デザインが手がけた「自然」「ナチュラル」なアプローチのパッケージデザインをご紹介しましょう。
2-1. Naturalミセスロイド ウォークインクローゼット用(白元アース株式会社
ウォークインクローゼット用のNaturalミセスロイドのデザインでは、ブランドの世界観を継承しつつ、ウォークインクローゼット向けであることをイラストで視覚的に表現しています。また、差し色を効果的に使い、他の商品との差別化を図り、店頭でもひと目で用途がわかるよう工夫しました。ナチュラルさと上品さ、さらに機能性を兼ね備えたデザインが特徴です。
2-2. Seedfun.(株式会社サカタのタネ)
タネまき資材で親しまれている「サカタのタネ ガーデンシリーズ」のデザインリニューアルです。「タネから育てるわくわくを」をブランドコンセプトとし、ネーミング、パッケージデザイン、ブランドサイトのデザインまで全て担当しました。「Seed(タネ)+fun(楽しい)」から、Seedfun.と名付けました。fun(楽しい)を軸にブランディングし、パッケージデザインではそれぞれの資材をモチーフに抽象して、わくわく感を感じられるようなグラフィックで表現しています。ブランドサイトではパッケージに合わせた華やかな色使いとところどころにつけられた動きでサイトに楽しげな雰囲気をプラスしました。はじめてのタネまきでも安心して手にとれるように、老若男女問わず親しんでもらえるようなデザインを目指しました。
2-3. BEE HONEY 夏場しのぎ・夏肌打水(株式会社ハウスオブローゼ/株式会社ビーハニーワークス)
夏限定の全身用ジェル状美容液と、ミスト状化粧水を、さっぱりした使用感が伝わるビジュアルで表現しました。 ミントやライムを効かせた、夏らしくすっきりとした香りをイメージできるデザインです。 ロゴは、キャッチーな商品名を助長させるように和モダンのテイストを取り入れ、涼感のある雰囲気を演出しました。
2-4. Leaf Thermometer(アッシュコンセプト株式会社)
冬は暖め過ぎ、夏には冷やし過ぎの室内。実はそこまで空調を使わなくてよいのかもしれません。温度計のように数値で温度を測るのではなく、もっと感覚的に、季節の移ろいのように自然に温度を感じることができれば、普段使いすぎているエネルギーに気付くことができるのではないかと考えました。20~25℃程度の時はきれいな緑色をしていますが、寒くなってくると緑から黒に近い焦げ茶色へ、暑くなってくると黄色へと、徐々に変わっていきます。ドアや壁に貼って楽しむことができます。
2-5. 鹿児島てらすファームのモリンガパウダー(高槻電器工業株式会社)
鹿児島の温暖な気候と伝統的な知覧茶の製法でつくられた、おいしくて飲みやすく、栄養素の高い健康食品『鹿児島てらすファームのモリンガパウダー』の2種のパッケーデザイン、ポスターデザインを担当させていただきました。早朝5時に人の手で丁寧に収穫される『朝摘み』のシーンを、温かみのあるイラストを大きく入れたパッケージで表現しています。パッケージは形状考案から携わり、優しさの感じられる素材、使いやすい形にこだわりました。記憶に残る世界観をつくるとともに、敷居の高すぎない親しみ感も兼ね備えたブランドを目指しました。