T3デザインブログを御覧の皆様、こんにちは。マーケティング担当の亀です。我々の業務に欠かせないAdobe製品ですが、昨年に引き続き今年もAdobe MAX Japan 2019@パシフィコ横浜に参加してきました!昨年は私一人でしたが、今年は社内から数名で参加、各々で別々のセッションに参加したのでバトン形式で当日のレポートをお届けしたいと思います!(全員かなり満喫したので少々長いです。スミマセン…。)
1. Photoshop Cameraをリリース前に体験!
10月にLos Angelesで開催されたAdobe MAXで発表され、大きな話題となったAdobeの新しいカメラアプリがPhotoshop Camera です。リサーチ不足で当日触れるとは思っていなかったのですが、会場内をフラフラしていると体験ブースを発見。スタッフの方に色々とお話しを聞きながら体験したのですが…とにかくすごい!まずは動画をご覧ください。
リアルタイムで人や空を検知するのが本当に早いのですが、スタッフの方も「Adobe Senseiがだいぶ凄いです」と言っており、幸いブースに人も多くないタイミングでしたので2人でずっと「Senseiやばいっすね…」と言いながらアプリを触りまくりました。
アプリのリリースは2020年予定らしいのですが、ブースでは抽選でPhotoshop Cameraのベータ版が届く為の申込みもできたのでもちろん申し込みました。「こないだろうな~」と全く期待していなかったのですが、数日後…まさかの当選!(実際の当選率は不明です。もしかして全員…?)
というわけで社内で遊んでみました。
食品向け、人物向け、風景向け…などいくつかプリセットがあり、基本的にはテンプレートから選ぶのですが、ゆくゆくはオリジナルのレンズを自分で追加できるようになると面白いですね。(ちなみにPhotoshop Cameraのサイト ではレンズを作成するアーティストを募集しています)
現在はベータ版なので正式リリース時にはプリセットも増えているのでは…と今から楽しみです!
2. Adobe XDセッション体験記: デザインと連携の新しい可能性を探る
T3デザインブログでもAdobe XDの紹介を行っていますが、今回僕が参加したのは株式会社タガス代表、浅野桜さん のXDセッション。WebデザインにおけるPhotoshopのことを調べると大抵この方の記事に辿り着くので知らず知らずのうちにお世話になっている方も多いかと思います。
XDのことについては初心者向けだったのですが、グラフィックデザインとWEBデザインのワークフローの違いや「あるある」なことを中心に、ディレクターがどういった立ち位置で案件を回していくか、という内容がとても面白かったです。
T3デザインもワイヤーフレームをXDで制作することがあるのですが、なまじキレイなワイヤーフレームが作れてしまうので、デザイナーは大変だと思います。個人的には「名言だ…」と思いましたが、デザイナーに対してだけでなく、クライアントに対してもあくまでワイヤーであること、そもそもワイヤーとは何か、ということをしっかりと伝えるのもディレクターの大事な役割だと考えています。
ワイヤーフレームに限ったことではないのですが、日常的にWEBサイトを閲覧していても「制作」となると話しは別。慣れていると忘れがちですが、用語も馴染みのない単語がバンバン出てくるので誰にでも分かるよう、配慮することを忘れずにいたいですね。「あるある」なことは「よく経験している」ということなので防げる!はず!(言い聞かせ)
このセッションで使用されていたスライドはタガスさんのサイト で公開されています。トークがないと全てを把握することは難しいかもしれませんが、大筋は話しが見えると思います。
Adobe XDは「作るのが便利になる」のはもちろんですが、チーム間(クライアント含む)での連携を強化できるツールだと思っていますので、ツールをうまく使いながら全体で協力しながら案件を進行できよう、うまく活用していきたいです。
3. 最前線を走っているクリエイターの話が聞けるのもAdobe MAXの醍醐味!
公私ともに普段は映像に関わることはあまりないのですが、どうしても気になったセッションがあったので参加してみました。それがこちら。
この児玉裕一さんという方も凄い人でして…本当にトップ映像クリエイターなのですが、こんなMVを作っている方です。
椎名林檎とトータス松本 - 目抜き通り
YUKI - ハローグッバイ
サカナクション - ネイティブダンサー
単純にファン目線で聞いていたのですが、MVの絵コンテやカット割りの構成の考え方から表現のアイデアの源などなど、クリエイターというよりはアーティストという感じでした。事務所にいろんなオモチャがあってそこからヒントを得たり…と、好きなアーティストのMVを元に解説していく様は興奮ものでした!
サカナクションのMVで使用している素材を単体で見れたことにも興奮していましたが、メインで解説していたMVはこちらです。ちょうど公開日にMVを見ていたので「マジっすか!」とテンション爆上がりしてしまいました。
KEN ISHII - Bells of New Life
このMV、1995年にKEN ISHIIがリリースしたEXTRAという曲のMVオマージュもあって本当に最高…とこのままですとオタクっぷりを発揮して無限に語ってしまいそうなのでこのあたりにしておきます。こういった最前線を走っているクリエイターの話しが聞けるのもAdobe MAXの醍醐味です。
KEN ISHII - EXTRA
4. iPadでのクリエイティブが進化している!
デザイナーの斉京です!ここからはバトンタッチし、グラフィック制作に係るIllustrator、Photoshop、そしてFrescoのiPadアプリの情報をお届けします!
4-1. プロが操るFrescoさばき
以前、「Adobe Fresco登場!」でも触れたFrescoのセッションに参加してきました。今回一番楽しみにしていたのは、アーティストのライブドローイング!画家の田中 ラオウ さん、イラストレーターの和遥 キナさん の作品が仕上がる過程を目に焼き付けてきました。
同じFrescoでも、クリエイターによって全く違う画風のアートが生まれていました。
直感的なアイデアやインスピレーションをぶつけるには、iPadの「いつでも、どこでも描ける」感覚がぴったりですね。ベースのイラストはiPadのモバイルアプリで、仕上げはデスクトップPhotoshopで、というクリエイターが多いようですが、iPadだけで完結する日も近いかもしれません。
4-2. Photoshop iPad版は今後に期待!
先日リリースされたPhotoshop iPad版。こちらはコンセプトアーティストの富安健一郎さん (INEI Inc.)のセッションに参加しました。Photoshop iPad版はまだまだ生まれたてなので、できることは限られています。富安さんも打ち合わせで実際にデータを開きながら確認する、その場で軽ラフを描く、といった使い方で紹介されていました。欲しいツールや要望を送りつつ、今後のアップデートを楽しみに待ちます。
iPadではないのですが、こちらのセッションではデスクトップPhotoshopでコンセプトアート制作のライブペインティングを行っていました。
コンセプトアートとは、ゲーム、アニメ、漫画、映画などのプロジェクトの世界観を可視化して伝えるためのイラストレーション。一つの作品を作り上げるための雰囲気を決めることで、主軸となるトーン&マナーを定めます。
コンセプトアートは、その作品の大枠を捉えて世界観を伝えるもの。グラフィックデザインでも、一つのパッケージを作るためにそのブランドの世界観を伝えるコンセプトビジュアルを作ることがあります。プロジェクトに関わる人数が増えるほど、ルールのような共通認識が必要になるので、主軸となるビジュアルがあるとブレずに進めやすくなりますね。
4-3. 待ってました!Illustrator!
実はiPadをお迎えした理由の一つがこれです。Illustrator iPad版ずっと待ってました。まだプレビュー段階ですがUIだけでこのワクワク感。早く触りたい。
スタイラスペンならではの手ブレが気になるところでしたが、スマートガイドもしっかり機能していました。オブジェクトに吸い付く吸い付く。
セッションで個人的に気になったツールは、オブジェクトの重ね順をジェスチャーで変更していた様子でした。キーボードなどのユーティリティを導入していない限り、ショートカットキーをジェスチャーに割り振るのは厳選しないといけないのかも?という印象でした。
でもiPadにキーボードつけたくない時もあるし、かと言って外せないショートカットキーもあるし、左手デバイスも試してみたいし……うーん。早く触りたい。
5. セッションだけじゃない!AdobeMAXの楽しみ方
新人デザイナーのかわしです。ここまで、セッションによる最新の情報やプロのテクニックをみてきたわけですが……
ちょっと待って!
Adobe MAXにはセッション以外にも楽しめる部分はまだまだたくさんあるんです!AdobeMaxのたくさんの魅力の中から、個人的にワクワクしてしまったポイントをピックアップしてご紹介していきたいと思います。
5-1. Google、大塚商会、モリサワ、AdobeStockラウンジなど楽しい!!
セッションのステージのすぐそばには約20社もの企業のブースがあり、最新の製品や体験ブースが人を集めていました。
Google合同会社のブースでは、ChromeOSを搭載したChroombookを体験する事ができました。そばには象徴的なGoogleのオブジェもありそこで写真を撮っている人が多く見受けられました。会場の中は撮影OKの場所がほとんどで、むしろ拡散をした人にはノベルティをプレゼントしている企業が多く、SNSの時代を感じました。
また、株式会社大塚商会のブースでは光を貯めて暗闇で光る、蓄光インクの印刷サンプルを紹介していました。よく見る蛍光のピンクや黄色だけでなく、微妙なニュアンスの青や緑も光っており、印刷技術の進化を感じました。ダークにもPOPにも、ホラーにもスピリチュアルなものにも、様々な表現の幅が広がるきっかけになるのではないでしょうか。
他にも気になるブースが満載で、ここには載せきれないほどでした!今年行けなかった方は、ぜひ来年現地で体感してみてください!
5-2. 圧倒的映え!飲めるIllustrator!?
Adobe MAX Japan 2019を締めくくるパーティーBeer Bashにて、Photoshop、Illustrator、Adobe XD をテーマにしたオリジナルカクテルが振舞われました。毎年大好評の企画ときいて何日も前からどのカクテルを飲もうかと吟味するくらい楽しみでした。そして当日、全てのセッションが終了し、いざBeer Bashのエリアへ……
私たちが選んだのはデザイナーが長年お世話になっているPhotoshopとIllustratorのカクテル。プロのバーテンダーさんが各製品にインスピレーションを受けて製作しているだけあって、味も見た目も素晴らしいものでした。さらにそのカクテルを、カスタマイズコーナーでハーブやドライフルーツなどを自由にトッピングし、自分好みに仕上げることができます。クリエイターはカスタマイズという言葉に弱いんじゃないでしょうか?なんだかIllustratorのカクテルを飲んで、イラレ力も上がったような気が……
6. まだまだ紹介しきれないAdobe MAXの魅力
ここまでご紹介してきたもの以外でも、気になったものはまだまだあります。例えばアドビグッズを販売する「MAX Store」では、Adobeソフトのアイコンを模したクッションやPhotoshopの透過背景の柄の靴下などかっこいいものから面白いものまで幅広く販売していました。他にも様々なクリエイターが出品している「Marketplace」なども見所満載で、購入を検討するために名刺をいただいたりしました。最新技術やプロのテクニックを肌で感じて、モチベーションは爆上がり!今日もデザイン頑張るぞ!
以上、マーケティング担当の亀、デザイナーの斉京、新人デザイナーのかわし、
たくやでした!