
「ブランディング」という言葉、おそらく企業によって捉え方は様々。どこからどこまでがブランディングなのか?依頼したらどこまでやってもらえるものなのか?疑問は尽きませんね。
今回は、パッケージデザインが得意なデザイン会社・T3デザインの考える、「ブランディング」について、もっとも分かりやすい事例を使ってお話ししたいと思います。
1.T3デザインのブランディングとは「商品の魅力を意図をもって伝えること」
T3デザインが一番大切にしたいと考えているのは、
「商品の魅力を意図をもって伝えること」。
そのために必要なのは、
①商品の魅力を正しく伝える見た目、世界観になっている
どんな人に向けたもの?
どんなミッションを持っているの?
など、ブランドとして「何を伝えたいのか」をはっきりさせることですね。
②パッケージデザインを含む全てのツールがそのブランドらしいデザインに統一されている
コンセプトや雰囲気に一貫性があるか、見た目や色に統一感があるのか、それだけがブランディングではありません。そのブランドの「らしさ」を軸に統一感を演出できているのかが重要です。
これらを総合的に考えて、
デザインをもって「その商品らしさ」を作り出し、一目でブランドの魅力が伝わること
それがT3デザインの考えるブランディングです!
2.事例:ミュゼプラチナム エンラディエンス

ミュゼコスメの新美肌理論「MUTHOD(ミュソッド)」に基づいたスキンケアシリーズ、「ENRADIANCE 」。そのブランディングデザインをT3デザインが担当しました。
私たちT3デザインがパッケージデザインをご依頼いただくとき、最初にデザインコンセプトをしっかり提案することを大切にしています。
なぜなら、パッケージには直接表れないブランド背景を作り上げることこそが、パッケージデザインから入るブランディングであると考えているから。こういった数々の提案の経験を踏まえて、最近ではブランディングからご相談いただくことが増えています。
そんな私たちがブランディングから構築した代表的な事例が「ENRADIENCE」です。そのブランディングの過程をご紹介します。
出発点
前身となるフェイシャルコスメのラインナップを引き継ぎつつ、ミュゼの美肌への丁寧な姿勢を表現することができるような全く新しいブランドを、というご依頼から始まりました。
ターゲット層を定める
お客様として想定されるのは、ミュゼプラチナムのサロンに直接足を運んでいただいた、20代〜40代を中心とした女性です。ブランドが、この層の消費者と、どのようなコミュニケーションをとっていくのか、その方向性を定めていきました。
そして、「美しくなること」を目的として通うサロンで出会うコスメとして、ぱっと目を惹く登場感、清潔感、信頼感のある堂々とした佇まいが必要と考えました。
デザインコンセプトのキーを探る
ミュゼの持つ美肌への哲学から、「新しい肌になって、より自信をつける」という発想など、求める世界観を固めていくための意見交換がなされる中、「輝き」というひとつの大きなキーワードが浮上しました。
「輝き」をイメージさせるカラーとして、赤や黄色という暖色を使ったデザイン案も出ましたが、ミュゼ自体のブランドカラーが青と白であること、その意志と期待を受け継ぐという思いを込め、ブルーを採用。ブランドネームは、輝かせる、輝く状態にする、という意味を込めて「ENRADIENCE」としました。

キーワードを掘り下げ、世界観を創造
ネーミングから、お客様により強く訴えたいことは何かを切り取って、ビジュアルのデザインへと昇華します。無数にある青色の中でも、直接肌に浸透させるものなので、刺激の少ないクリーンなイメージのある色。濃過ぎず、淡過ぎず、内側から発光するようなパールを含んだブルーを選び、さらに「輝き」のワードにリンクするように、また輝く肌が続いていくようにという意味も込めて、全てのパッケージにシルバーのラインを引きました。
伝えたいことがはっきりと伝わるビジュアルへアウトプットする
メインビジュアルは、容器の色味やコンセプトの美しさがより際立つようなインパクトを目指しました。反射しているようなエフェクトをかけた清い光とプリズムは、同時に堂々とした登場感も演出しています。これをもとに、屋内であるサロンに掲示されることを想定して、ポスター、リーフレット、バナーを制作。お客様と商品の出会いが印象的となるよう、シンプルでダイレクトな表現になりました。
他に制作したサイネージ用のHow to動画やwebサイトも一貫して「輝き」をテーマに展開しています。


3.まだまだあります!T3デザインのブランディング事例
T3デザインが手がけたブランディング事例、まだまだあります!
3-1. médelle(THE WORLD株式会社)
「自分が人生のヒロインであると気づくボディケアブランド」がコンセプトの「médelle」のリニューアルデザインを担当しました。パッケージデザインはヒロインに届く招待状をモチーフに「使うたび気分が上がっていくアイテム」として清潔感のある印象に。また、ブランドカラーとしてヒロインの白いドレスに落ちる綺麗な青い影のような水色を「médelle Blue」と設定しました。ブランドイメージを象徴するイメージカットではヒロインの部屋を想起させるような構成で撮影ディレクションを行いました。
3-2. POLBAN(ラッキーインダストリーズ)
「育児の中で、どこか子供中心になってしまい、溜まり溜まってストレスとなるのはもったいない。抱っこは子供だけじゃなくてパパ・ママも一緒に楽しんでほしい。そんな想いを叶えるため大人も子供と一緒に共感できるコミュニケーションを目指したブランディング実績です。ライフスタイルの決裁権がある大人に寄り添った「ハイカジュアル」なVIを軸に子供との楽しい抱っこライフを連想させるよう設計しています。
3-3. Coculme(株式会社ヤクルト本社)
「ヤクルト様の新ボディケアブランド「Coculme(コクルム)」の容器デザイン、パッケージデザイン、WEBサイト、動画、販促物のデザインを担当いたしました。大人の乾燥肌をうるおいヴェールでくるむ、というキーワードから「繭のように優しく包み込む」をコンセプトに容器とKVをデザインしました。それらをベースに、WEBサイト、販促用チラシ、ヤクルト様で使われる社内向けの研修用テキスト、使い方の説明用動画へ展開しました。Coculmeというブランドに上品な佇まいと、うるおいで包み込むような優しさを感じられるよう、全てのデザインのブランディングを行いました。
3-4. LIDEF(株式会社リベルタ)
高度なテクノロジーを駆使し、過酷な環境に快適に適応できる衣類ブランドのビジュアルを手がけました。ロゴ、キービジュアル、デザインレギュレーションを制作し、ブランドのビジュアル伝達のベースをクライアントと組み立てさせていただきました。ロゴについては機能性衣料ブランドLIDEFのロゴ、ブランド内で展開される4つのシリーズロゴの計5つのロゴリデザインを行いました。共通していたのは、環境に合わせて素材が変化する事。変化をフックに、ロゴデザイン自体がグラデーションに変化するイメージでデザインしています。各キービジュアルは、ハードな印象で作り込むことによって、高度なテクノロジーを想起させるよう仕上げました。映画のワンシーンを切り取ったような魅せ方にすることでユーザーの期待値を高めていくビジュアルを目指しました。
4.T3デザインのブランディングとは、魅力は何か、それをどう伝えるか
商品の魅力を正しく理解し、伝えること。そのために使用するあらゆるツールの端々も、理由をもってデザインをすること。T3デザインでは、そんなポリシーのもと、お客様との対話を大切にしながら、魅力的なブランドを作り出すお手伝いをしたいと考えています。
パッケージデザインはもちろん、ブランド構築からお求めの方、リニューアルをお考えの方、ぜひご相談くださいね!