東京都渋谷のパッケージデザイン・グラフィックデザイン 株式会社T3デザイン

POLBAN ブランディング

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1. プロジェクトの背景

ラッキー工業株式会社様は、1934年(昭和9年)に創業。「おんぶひも」を製品化したベビーキャリアのパイオニア企業です。1967年には米国で特許を取得し、現在まで様々な生活シーンに対応した抱っこひもを開発し、育児の新しいスタイルを提案し続けています。
その経験とテクノロジーを駆使して開発されたのが、ヒップシート「POLBAN」。育児期に何度も繰り返される「抱っこ」の負担を減らし、子どもとの生活を快適に楽しい思い出に変えてくれるアイテムです。

T3デザインが今回ご依頼いただいたのは、そんな「POLBAN」そのもののブランディングでした。
ターゲットは、マタニティ期のママ・パパと育児中のママ・パパです。近年、子育て市場は高価格化や海外メーカーの参入が加速しており、各メーカーはこぞってさまざまなアイテムを開発しています。抱っこひもやヒップシートも例外ではなく、赤ちゃん用品・キッズ用品売り場には、海外メーカーから国産メーカーまで、商品がひしめきあっているような状況です。
その中で「POLBAN」の魅力をいかに伝えるか。独自性を主張しつつ、ママ・パパの、家族の理想とする生活が延長線上に見える、そんなコミュニケーションを目指しました。

リニューアルパッケージデザイン/商品ロゴデザイン/ブランドコンセプト開発/ブランドコピー開発/ブランドストーリー開発/ブランドロゴデザイン/キービジュアルデザイン/パンフレットデザイン(複数頁もの)/店頭什器デザイン/ブランドサイトデザイン/キービジュアル撮影/シズル撮影/イメージカット撮影/販促ツールデザイン

POLBAN ブランディング パッケージデザイン
POLBAN ブランディング パッケージデザイン
POLBAN ブランディング パッケージデザイン
POLBAN ブランディング パッケージデザイン
POLBAN ブランディング パッケージデザイン

2. 課題とそのアプローチ

独立したブランドとして確固たる地位を築きたい
ご依頼いただいた時点での「POLBAN」は、その商品性能の高さから既に育児世代への認知度が拡大し始めているフェーズにありました。ここでブランドの世界観をしっかりと確立し世間に示すことができれば、市場の中核を担う商品として、確固たる地位を築き上げることができます。そのためには、インパクトある独自のコミュニケーションで、ユーザーの視線を引き寄せる必要がありました。

また、ブランドが独立すると同時にさらなるラインナップの拡充が計画されていたため、統一されたビジュアル戦略を行いたいというクライアントからの要望もありました。ここで統一感のある強いビジュアルを打ち出すことができれば、ブランドとしてのさらなる認知拡大が期待できます。
子どもを抱っこできるのは、とても限られた短い期間だけです。その一瞬にすぎない時間を、なるべくストレスなく楽しんでほしい、そんなクライアントの思いを的確に表現したいと考えました。

質の高いビジュアルコミュニケーションを
「POLBAN」のヒップシートたちは、作り手の思いと技術が込められた商品です。企画、商品、プロモーションの細部にその思いを宿らせつつ、正しく魅力を発信するためには、ブランドそのものへの理解を深め、在り方を再整理することが求められました。

ブランドを正しく理解できれば、ターゲットの心に刺さる表現が何なのか、おのずと見えてくるはずです。今ある「POLBAN」への評価や認知をもっと引き上げ、製品の確かさを納得させられるのが、ECショップと売場です。この2箇所でのコミュニケーションに差がつかないように、どちらでも通用するようなビジュアルへ強化する必要がありました。

過去に担当した案件でも、パッケージを強化することで売上や認知が向上したという経験から、この法則を「POLBAN」へも落とし込み、「質の高いビジュアルコミュニケーションを確立する」ということに焦点を絞って取り組みました。

MIもVIも、順番に丁寧に組み上げる
質の高いビジュアルコミュニケーションの確立、そのためには、存在意義を示すためのマインドアイデンティティ、そしてその価値を視覚的に表すためのビジュアルアイデンティティを強固にしておかなければなりません。
2つのアイデンティティをそれぞれフェーズ分けし、順番に組み上げること。この作業をクライアントとともに進めることで、ブランドへの理解を深めていきます。
さらに忘れてはいけないのが、2つのアイデンティティ・ロゴマーク・ブランドブックなどのハード面、パッケージ・キービジュアル・販促コミュニケーションなどのソフト面、両面をもれなくきめ細やかにデザインしていくこと。
小さな要素をひとつひとつ丁寧に拾い上げ、編み込むようにつなげることで、求めるビジュアルへと近づいていきました。

3. デザインのポイント

育児はどうしても子どもが中心になってしまうもの。子どもが大好きな、日常の中で何度も繰り返される「抱っこ」を、ママやパパも一緒に楽しんでほしい。そんな想いを叶えるため、大人も子どもと一緒に共感できるコミュニケーションを目指しました。

「ママ・パパこそもっとワクワクして欲しい」、このコンセプトを「期待感」のあるビジュアルコミュニケーションに落とし込んでいます。美しいモデルを起用し、あえて理想的なスタイルで表現することで、ママ・パパたちの生活への期待を高めます。
より大人らしい高揚感を演出できるよう、カラーラインナップはハイカジュアルに設計。また、子どもだけではなく大人の視線にも寄り添い、親子でワクワクできる世界観や表現を、各アートワークに盛り込んでいます。

4. 総括

抱っこひもやヒップシートは、海外製品の需要が高い市場です。これを意識し、競合品とのグレード比較が成立するように設計しました。
一時期は海外ブランドの抱っこひも人気が優勢でしたが、街中でも「POLBAN」を使用している親子とすれ違う確率が高まっている印象です。また、クライアントの販売戦略も功を奏しており、22年12月の立ち上げから、前年比では特にweb販売を中心に売上全体がアップ。その後も年々好調に売り上げ、ヒップシートのブランド認知にも良い影響を与えることができました。

カテゴリ
雑貨
クレジット
ディレクター:小野順正、庄子サトル、佐藤真利江
デザイナー:高橋圭祐
公開年